シリア西部ラタキアで抗議中に銃撃、、少数派アラウィー派に死傷

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2025.12.29

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シリア西部の沿岸都市ラタキアで2025年12月28日、少数派イスラム教アラウィー派（シーア派の一派とされる）による抗議のさなかに銃撃などが起き、死傷者が出た。国営通信SANAは保健当局の報告として「3人死亡、60人負傷」と伝え、内務省は治安部隊の隊員1人が死亡したとしている。

抗議の場が混乱、治安部隊にも犠牲

SANAによると、抗議が行われていた市内で「旧政権の残党」が治安部隊や民間人を攻撃し、死傷者が出た。Reutersも、ラタキアでの抗議中に発砲があり混乱が広がったと報じ、治安部隊が空に向けて発砲して事態の沈静化を図った場面があったとしている。

ただ、死者数や負傷者数は報道機関で食い違いがある。AP通信は、抗議側と親政府側の対抗デモが衝突し死者が出たと伝えた。広場に集まった群衆が押し合う状況では、負傷の把握や原因の切り分けが遅れやすい。誰がどこで発砲したのか、当局の説明と検証が焦点になる。

ホムスのモスク爆破が引き金、少数派の不安が表面化

抗議の背景には、シリア中部ホムスで12月26日に起きたモスク爆破がある。APやEFEによれば、ホムスのイマーム・アリー・イブン・アビー・ターリブ・モスクで爆発が起き、少なくとも8人が死亡し18人が負傷した。Reutersは、抗議参加者が地方分権や拘束されたアラウィー派の釈放を求めたと報じ、治安不安に加えて政治的要求が重なっている。

論点は、当局が「旧政権の残党による攻撃」と位置づける事案を、どこまで透明に捜査し、少数派の不安にどう向き合うかだ。治安強化は短期的には混乱を抑える一方、恣意的な拘束との疑念が残れば反発を呼びかねない。爆破事件の実行犯特定と、抗議現場での発砲の経緯説明が、沿岸部の緊張緩和に直結する。