米陸軍の高出力レーザー運用で、テキサス州エルパソ空港周辺の空域が約7時間停止

米陸軍が空港近くでレーザー使用、エルパソ空域で7時間の飛行制限

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空港のすぐ近くで高出力レーザー兵器を動かす――その「安全側」の判断が、テキサス州エルパソ国際空港周辺の空域を約7時間止めた。現地時間11日(日本時間12日)、米陸軍が対ドローン用レーザー「LOCUST」をフォートブリス周辺で使用し、連邦航空局(FAA)が民間機への影響を懸念して飛行制限をかけたとロイターが報じている。

レーザー対ドローン実運用 空域閉鎖の経緯

ロイターによると、使用されたのはAeroVironment製の指向性エネルギー兵器(レーザー)「LOCUST」で、出力は20キロワット級だ。関係者2人の話として、空港に隣接するフォートブリスに配備されたシステムの運用が、FAAの懸念を招いた。

空域閉鎖は「特別な安全上の理由」として通知され、当初は長期の制限が想定されたが、その後に解除された。背景には、米墨国境地帯でドローンの目撃が増え、空港や重要施設の周辺で「低コストで確実に落とす」手段の整備が急がれている事情がある。

レーザーは迎撃ミサイルと比べ、1回あたりのコストを抑えられる一方、照射方向や反射などが航空機運航に与える影響を無視できない。民間空域と地上の軍用装備が近接する地域では、運用手順のすり合わせが欠かせない。

安全手順と制度の穴 拡大する対ドローン需要

今回のLOCUSTは、陸軍の高エネルギーレーザー試作(AMP-HEL)の流れに位置づく。AeroVironmentは2025年に、対無人機レーザーの試作システムを陸軍に納入したと発表している。実際の現場運用が報じられたことで、装備が「研究段階」から「部隊で使う段階」に移りつつある姿が見えた。

一方、アルジャジーラやフォーブスは、閉鎖をめぐる説明の不足や、関係機関の連携の弱さが混乱を広げた可能性を伝えた。対ドローン能力の強化が進むほど、空港周辺での試験・運用をどう透明化し、航空の安全手順に組み込むかが問われる。

対ドローンは「必要だから進める」だけでは足りない。民間航空の運航と同じ空を使う以上、事前調整、第三者の安全評価、情報共有の型を固めなければ、装備の高度化がそのまま社会の混乱コストとして跳ね返る。運用のスピードと説明責任を両立させる仕組みづくりが急務だ。

参考・出典

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