フィリピン・マニラで20万人が座り込み、洪水対策汚職を追及

フィリピン・マニラで20万人抗議、洪水対策汚職へ怒号

本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。[私たちの取り組み]

マニラ中心部の広場では、人びとが歩道にテントを張り、夜通しスローガンを掲げている。洪水対策プロジェクトを巡る巨額の汚職疑惑に抗議するデモが2025年11月17日に2日目を迎え、少なくとも20万人が参加したと伝えられる。8月から続く一連の抗議は、フェルディナンド・マルコス大統領が「クリスマス前までに責任者を投獄する」と約束した一方で、説明責任の遅れに不満を強める市民の思いを映し出している。

市民が街頭に集まり説明責任を求める

デモは11月16日に始まり、18日まで3日間続く予定だ。17日の時点で延べ参加者は60万人を超え、多くは首都マニラの公園や幹線道路脇にテントを張り、最終日まで留まる覚悟を示している。行進を組織したのは、国内に約200万人の信徒を持つとされるキリスト教会で、地方都市からもバスで参加者が駆けつけた。人びとは「私たちの税金を洪水から守るために使ってほしい」と書かれたプラカードを掲げ、平和的に声を上げ続けている。

参加者の1人で35歳のアーメリン・バンドリルさんは、治水事業を巡る不正の疑いが表面化してから約100日が過ぎたと指折り数え、「証拠は山ほど出ているのに、まだ誰も牢屋に入っていない」と憤る。彼女と同じように、家族連れで会場に泊まり込む人も多い。仕事を休んで参加した人びとは、学校の閉鎖や道路規制といった負担を受け入れながらも、「このままではまた大雨で被害が繰り返される」と危機感を共有している。

マルコス政権の治水事業を巡る汚職疑惑が広がる

今回の怒りの根底には、マルコス政権下で進められてきた治水インフラ計画の不正疑惑がある。大統領は8月、内部監査の結果として、2022年以降に実施された約5450億ペソ規模の洪水対策プロジェクトの中に、完成度の低い工事や書類の不備、実際には存在しない「幽霊事業」が多数含まれていたと明らかにした。監査では、認定された数千の業者のうちごく一部の企業が予算の2割を占めていたと指摘されている。公共事業省の担当者や大手建設会社の幹部、国会議員らが関与し、事業が架空のまま資金だけが流れたケースも疑われている。

不正疑惑の表面化後、議会では公聴会が開かれ、受注企業と政治家、官僚が賄賂の有無を巡って互いに責任をなすり合ってきた。マルコス大統領は元最高裁判事をトップとする調査パネルを設置し、数十人の関係者に刑事・行政処分を勧告してオンブズマン(汚職捜査を担う独立機関)に送致したとされる。また、当局は関連すると見られる資産60億ペソ超を凍結し、没収を目指している。大統領は11月13日の会見で「クリスマス前には多くの関係者を牢に送る」と述べ、巨額の資金流用に関わった者を年内に拘束すると改めて約束した。

洪水被害と経済への不安が抗議の背景にある

市民のいら立ちは、ここ数年相次いだ洪水被害と重なっている。モンスーンや台風の度に住宅地や商業地が浸水し、多くの人が腰まで水につかりながら避難を強いられてきた。その一方で、本来なら堤防や排水路の整備に使われるはずだった資金が行方不明になったと報じられ、政府への不信感が一気に高まった。経済計画担当相は、第3四半期の成長率が想定を下回った背景に「衝撃的な規模の汚職」があり、事業の審査厳格化で予算執行が遅れたと説明している。投資家の間でも、公的インフラ支出の透明性を懸念する声が出始めている。

今年のフィリピンでは、洪水対策事業を巡る疑惑をきっかけに各地で反汚職デモが相次ぎ、「1兆ペソ行進」と呼ばれる大規模な運動も9月に行われた。今回の教会主導の集会は、その流れを引き継ぎつつ、宗教団体や市民団体、若者らが協力して政府に制度改革と透明性の向上を迫る場になっている。参加者の多くは政権の打倒ではなく、公金の使い道を明らかにし、再び同じ仕組みが繰り返されないような仕組み作りを求めている。大統領が掲げる「年内の責任追及」が実際の処罰と資金回収につながるのか、市民は路上でじっと推移を見守っている。

参考・出典

ニュースはAIで深化する—。日々の出来事を深掘りし、次の時代を考える視点をお届けします。

本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。
ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、
実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。
[私たちの取り組み]