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三菱重工業の伊藤栄作社長は2025年12月15日、ロイターなどの取材に対し、政府が拡大を目指す防衛分野の需要をにらみ、生産体制の整備を進める考えを示した。防衛費が積み上がる局面で、装備を「作れること」と「届け続けられること」の間にある溝が、改めて注目されている。
増産の前に問われる「作り続ける力」
伊藤氏の発言は、受注拡大の意欲というより、国の方針に合わせて供給責任を引き受ける姿勢の表明だ。防衛装備は仕様変更や品質管理の要求が厳しく、増産には設備だけでなく技能者の育成や工程の作り替えが先に必要になる。
一方で、防衛省は2026年度予算で8.8兆円規模の要求を掲げ、2027年度にGDP比2%へ近づける目標も示している。支出が増えても、契約の見通しが短期に揺れれば投資回収は難しい。調達側には、予算の膨張を「安定した発注」に変える設計が問われる。
追い風の中で、企業が背負うリスクの輪郭
三菱重工は、防衛需要の強さを背景に2026年3月期の営業利益を4200億円と見込み、防衛・宇宙部門は利益4割増を計画している。だが同社はエネルギーやインフラも担う。増産を急げば、社内の人材や部材を別部門から奪い合う構図も生まれ得る。
防衛装備の供給は、完成品の組み立てだけで完結しない。部品、素材、整備網まで含めた連鎖のどこかが詰まれば、予算の増額は納期短縮に直結しにくい。伊藤氏が語った「準備」とは、拡大する計画の裏側で、企業が負う不確実性をどう吸収するかという課題提起でもある。
