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人権団体Global Rights Compliance(GRC)は、北朝鮮当局が関与する仲介網を通じ、北朝鮮労働者が学生査証でロシアに入り、工場などで搾取的な条件下で働かされていると報告した。軍用食料の生産拠点への配置も確認したといい、国連制裁の回避を指摘している。ロイターが2026年10月29日に伝えた。
学生査証を利用した入国と企業への労働者供給
GRCによると、モスクワの実業家ウラジーミル・ソコロフ氏が運営する仲介サイト「KNDR.su」は、北朝鮮労働者をロシア企業に紹介していた。労働者は大学などに在籍する形で学生査証を取得し、現地企業での実習を名目に働く仕組みだという。
国連安全保障理事会は2017年の制裁決議で、海外で収入を得る北朝鮮労働者について2019年末までの送還を求めている。GRCは、学生としての入国と企業での就労を組み合わせた制度の利用を制裁回避の手段とみている。
調査では公開情報の分析や顔認識技術を利用した北朝鮮当局者の特定に加え、労働者の受け入れを検討する雇用主側の担当者を装った潜入調査も実施した。GRCは、在モスクワ北朝鮮大使館の関係者が派遣先となる工場を視察していたと指摘し、北朝鮮当局の関与を示す証拠としている。
軍用食料工場での就労と搾取的な労働条件
GRCは調査対象の一つとして、モスクワ州の軍用糧食メーカー「KPP Ruskon」を挙げた。同工場では北朝鮮労働者30人の姿を映像で確認したという。軍向けの食料を生産する施設での就労は、北朝鮮の労働者派遣とロシアの戦時経済との接点を示している。
GRCによると、仲介業者が提示した手数料は労働者1人当たり10万〜15万ルーブルで、最低50人単位の受け入れを募っていた。広告には1日12時間勤務、休みは月2日という条件も記されていた。これらの勤務時間と休日数は広告上の条件であり、GRCは別途、さらに長時間の労働実態も報告している。
GRCは、労働者が本人や家族への報復を恐れて就労を続けさせられ、賃金の大部分を北朝鮮側に取り上げられているとも指摘した。こうした賃金は北朝鮮の軍事計画を支える資金源になっているとの見方を示している。
ロイターによると、ロシア外務省と在モスクワ北朝鮮大使館は照会に回答しなかった。一方、GRCが主要関係者として接触したロシア人2人のうち、回答した1人は疑惑を否定した。
参考・出典
- New Report Reveals North Korean Workers Are On Sale to Russian Companies in Escalating State-Sponsored Forced Labour Programme
- Moscow, Pyongyang back network sending workers to Russian factories, report says
- Joint statement of the Multilateral Sanctions Monitoring Team on the report of covering the DPRK’s overseas labour program
- 北朝鮮、ロシアに労働者派遣 軍需工場でも就労=人権団体
- Russia Uses North Korean Forced Labor to Sustain War Against Ukraine, Investigation Finds
