NTT、窒化アルミニウム(AlN)系で世界初の無線信号増幅実証 ポスト5Gへ

NTT、AlN系半導体で世界初実証 ポスト5G高周波増幅に道

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NTTは2025年12月、高アルミ組成の窒化アルミニウム(AlN)系半導体を使った高周波トランジスタで、世界初となる無線信号の増幅動作を実証した。高い抵抗が障害となっていた領域で低抵抗構造を実現し、ミリ波帯を用いるポスト5G通信のエリア拡大や高速化に道を開く成果だ。

ポスト5Gの電波はどこまで届くのか

ポスト5Gでは、現在の5Gよりも高い周波数と出力の電波を使い、工場や自動運転車、遠隔医療など多様な現場を同時につなげることが想定されている。そのとき重要になるのが、基地局に組み込まれる高周波トランジスタの性能だ。今回の成果は、その心臓部となる素子の選択肢を広げるものだ。

AlNは、既に実用が進む窒化ガリウム(GaN)よりも高い絶縁破壊電界と電子の速さを併せ持つとされ、高出力かつ高周波で動作するデバイスに向く材料だ。NTTはこれまで主に電力変換用パワーデバイスとして研究してきたが、今回、高周波増幅にも応用できることを示したことで、1つの材料で送配電と無線の両方を担う将来像が現実味を帯びてきた。

もっとも、今回示されたのは研究室レベルの試作結果であり、実際の基地局や端末に組み込まれるまでには、量産プロセスや信頼性の検証といった課題が残る。政府系機関のNEDOが進めるポスト5G基盤強化事業など、国内でも次世代通信部品の開発支援が始まっており、AlN技術がその中でどこまで存在感を高められるかが今後の焦点となる。

高Al組成を動かすための低抵抗デザイン

今回NTTが狙ったのは、Alの割合が75%以上という高Al組成のAlN系半導体だ。この領域では高い出力が期待できる一方で、金属電極との接触抵抗や、電流が流れるチャネル層の抵抗が大きくなり、十分な電流が取り出せないという根本的な問題があった。そのため、高周波での電力増幅は長く「実現困難」とみなされてきた。

NTTの研究チームはまず、電極と半導体の間にAl組成を徐々に変化させたAlGaNコンタクト層を挟み、界面のエネルギー障壁を下げることで接触抵抗を抑えた。あわせて、Al組成に勾配をつけたチャネル層を上下から挟み込む分極ドープ構造を採用し、チャネル内部に高濃度の電子を集めて抵抗を下げる設計とした。

この低抵抗構造を適用した試作素子では、Al組成78〜89%で高いドレイン電流が得られ、Al85%の素子では500mA/mm超の電流と10^9以上のオンオフ比を達成した。さらに、1GHz超の高周波信号を増幅し、ミリ波帯での最大発振周波数79GHzを示している。NTTは国際学会IEDM2025で成果を公表する予定で、ポスト5G向け半導体を巡る各国の開発競争の中で、日本発材料が存在感を示せるか注目される。

参考・出典

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