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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は12月19日、年末恒例のテレビ中継イベントで、ウクライナ侵攻の後に新たな戦争が起きるかどうかは「ロシアが尊重されるか」にかかっている、という形で条件を付けた。欧州攻撃を計画しているとの見方も、根拠のない話だとして退けた。言葉の強さの裏で、欧州とウクライナに何を求めているのかが焦点になる。
「次はない」と言い切りながら、条件を前に置いた
発言が出たのは、記者会見と国民からの質問受付を組み合わせた、約4時間半の長丁場だ。BBCのスティーヴ・ローゼンバーグ編集長が、新たな「特別軍事作戦」があり得るのかを問うと、プーチン氏は、ロシアとその利益が尊重されるなら「作戦はない」と強調した。「特別軍事作戦」は、ロシアが2022年2月に始めたウクライナ全面侵攻を指す呼び方だ。
同時に、ロシアが欧州諸国を攻撃する準備をしているという警戒論には、作り話だという姿勢を示した。欧州側には、侵攻の長期化だけでなく、戦線の外にリスクが広がる可能性を見極める難しさが残る。否定の言葉が直ちに安心材料になるのか、それとも交渉で譲歩を引き出すための枕詞なのか、受け止めは割れそうだ。
「尊重」の中身が不透明なまま、交渉の責任を投げ返す
プーチン氏の語る「尊重」は、抽象的な表現のまま残された。だが過去の発言を踏まえると、安全保障上の要求や、ウクライナを巡る条件を西側が受け入れることを含む可能性がある。相手がそれを「尊重」と呼ぶかは別問題で、言葉の定義がズレたままでも、話し合いの主導権をめぐる駆け引きは進む。
一方で、イベントでは前線でロシア軍が優位にあるとの主張も繰り返されたと報じられている。戦況の見通しを強気に描けば、停戦や交渉に応じるとしても、譲歩ではなく「条件達成の確認」という形にできる。欧州に向けた否定の言葉と、ウクライナへの圧力を同じ舞台で重ねた点に、この発信の狙いがにじむ。
参考・出典
- Полная стенограмма Итогов года с Владимиром Путиным 19 декабря 2025 года: Текст выступления президента на прямой линии – KP.RU
- Putin says there will be no new ‘special military operations’ if the West ‘treats Russia with respect’ — Meduza
- Putin Projects Confidence On Ukraine War While Repeating Demands In 4 1/2-Hour Press Event
- Putin touts battlefield gains, signalling war in Ukraine will continue | Euronews
- Putin says Russia won't launch new attacks on other countries 'if you treat us with respect'
