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携帯の電波を衛星でも使い、圏外を減らす。その前提となる「周波数の共用」をどう安全に回すかが、国内でも本格的な技術テーマになってきた。楽天モバイルは2月16日、JAXAの宇宙戦略基金事業で公募された「衛星通信と地上ネットワークの統合運用」に関する技術開発テーマに、自社提案が採択されたと発表した。
宇宙戦略基金 最大110億円枠と5年計画
楽天モバイルの発表では、採択されたのは「ダイナミック周波数共用」の技術開発である。衛星と地上の双方が同一周波数帯を使う環境を想定し、干渉を避けながら統合運用する仕組みをつくる。連携機関として東京大学大学院工学系研究科の中尾研究室が参画するという。
支援総額は、同テーマ全体で最大110億円とされる。実施期間は2026年3月から2031年3月末までの予定だ。宇宙戦略基金事業は「輸送」「衛星等」「探査等」の3分野で、民間企業や大学などを複数年度(最大10年)で支援する枠組みだとしている。
開発の核に据えるのは、AIで衛星通信を管理・制御する「次世代衛星通信AI」だ。基地局設備から得るカバレッジ情報などを踏まえ、衛星側の停波・起動を自動制御するほか、干渉調整、周波数変更、トラフィック収容の最適化までをAIで回す構想である。衛星ダイレクト通信ではドップラーシフトや伝搬遅延も効いてくるため、音声やビデオ通話の品質を落とさない補正処理も論点になる。
衛星ダイレクト通信 実証と商用化競争
楽天モバイルは衛星とスマートフォンの直接通信についても、段階的に実証を進めてきた。ケータイ Watchによると、同社は米AST SpaceMobileと組み、日本国内で低軌道衛星と市販スマートフォン同士の直接通信によるビデオ通話に成功したと昨年4月に公表し、国内向けサービスを2026年第4四半期に提供すると説明している。
一方で、衛星と地上網の「つなぎ方」は各社で焦点が異なる。ソフトバンクは2024年9月、Intelsatと5Gの標準仕様に基づく接続を視野に共同技術検証を始めた。NICTも2025年10月、衛星×5Gネットワークで柔軟な経路選択や品質制御を活用した実証に成功したと発表している。楽天モバイルの今回の採択は、とりわけ周波数共用を前提にした運用制御へ、研究開発資金を厚く投じる形になる。
衛星と地上の統合運用は、カバーエリアを広げるだけでなく、同じ電波を同時に使う場面での干渉リスクも増やす。AIで最適化する発想は有力だが、実運用では標準化、端末側の実装、運用ルールの設計が同時に要る。机上の最適解を、現場で破綻しない手順に落とし込めるかが、次の競争力を決める。
