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政府は2026年度予算案の最終調整を進めている。一般会計は約122.3兆円と、当初予算で過去最大を更新する見通しだ。税収が伸びても歳出を賄い切れず、新規国債は約29.6兆円に膨らむ。家計の負担感が残るなか、何に優先的に配るかが焦点になってきた。
「増やす」より「守る」予算が前に出る
今回の山場は、新しい政策を積み上げるというより、既に膨らんだ支出をどう支えるかにある。テレビ朝日系は、社会保障の伸びに加え、金利上昇を背景に国債費が30兆円超、さらに防衛費も約9兆円規模と伝えた。生活者から見れば、物価高対策の継続も望まれる一方で、恒常的な支出が増えるほど「別のどこか」を削る圧力が強まる。
すでに秋の段階で、各省庁の概算要求は約122.4兆円に達していたとテレビ朝日系は報じている。つまり、要求の時点から「120兆円超」は既定路線だったとも言える。財務省が公表した概算要求基準は、成長型経済への移行や賃上げ定着を掲げつつ、物価動向を踏まえた制度点検も求める。暮らしの支援と制度の持続性を、同時に問う編成になりやすい。
国債29.6兆円が示す、金利というブレーキ
財源面で重いのは国債だ。Reutersは、税収が約83.7兆円と過去最高でも、社会保障、防衛、債務費の増加を吸収できず、新規国債が約29.6兆円になると報じた。市場も敏感で、同報道では超長期金利の上昇が続き、30年債利回りが3.45%に達した局面に触れている。金利が上がれば利払い費が増え、次の予算の選択肢をさらに狭める。
予算案は2025年12月26日に取りまとめられ、年明けの国会審議で修正の余地も残る。問いは単純な「総額の多寡」ではない。医療や年金を守るのか、防衛力を積み増すのか、物価高の痛みをどう和らげるのか。その優先順位を決めるたびに、負担は将来世代の税か、いまの利用者の給付か、あるいは金利上昇という形で跳ね返ってくる。
