RSF指導者が3カ月の人道休戦を宣言　内戦冷却へ「クアッド」合意が後押し

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2025.11.25

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録画された声明の再生ボタンが押されると、落ち着いた声が戦時下のスーダンに向けて流れた。準軍事組織RSF（即応支援部隊）を率いるモハメド・ハムダン・ダガロ司令官が、国軍との戦闘を3カ月間止めると一方的な人道休戦を宣言したのだ。米国のトランプ大統領が先週、内戦終結に向けた関与を公言したことを受けた動きであり、飢餓と暴力に直面する市民にとっては、かすかな緩和の兆しでもある。

RSFが受け入れた「3カ月休戦」と仲介国の思惑

ダガロ司令官は2025年11月24日のビデオ声明で、直ちに3カ月間の人道目的の停戦に入ると表明し、あらゆる敵対行為を一時停止すると約束した。休戦期間中は、医療チームや援助団体の移動を保障し、倉庫や施設の保護にも責任を負うと強調している。声明では、この決定は国際社会、とりわけトランプ米大統領が主導する取り組みに応えるものだと位置づけられた。

今回の枠組みの土台となったのは、米国、UAE、エジプト、サウジアラビアの4カ国、いわゆる「クアッド」が9月にまとめた原則合意だ。そこでは、まず3カ月の人道休戦で戦闘を冷却させ、その後に恒久停戦や政治移行を議論する筋書きが示されていた。RSFは今月初め、この案を受け入れると発表し、国際社会からは前向きな一歩と受け止められたが、その直後にドローン攻撃で国軍支配地域を叩き、停戦の信頼性には早くも疑問符が付いていた。

それでもRSF側は、今回改めて「国軍側の関与を促すための一歩」だと強調する。監視の仕組みとして、クアッド諸国に加え、アフリカ連合や地域機構IGADが現場での履行を見守る枠組みを設けることにも同意したと説明し、第三者の監視があれば停戦が実効性を持ちうると訴える。仲介役の存在に期待を寄せる一方で、相手が応じなければ一方的な休戦にとどまるという不安定さも抱えたままだ。

国軍の反発と長期化する内戦が市民にもたらすもの

RSFの動きに対し、国軍トップで統治評議会議長でもあるアブデル・ファッタフ・ブルハン将軍は23日の演説で強く反発した。クアッドの提案は、正規軍の力をそぎ落とす一方で、RSFが既に占領した地域の支配を追認する内容だと主張し、「容認できない」と退けたのである。国軍側は、停戦に入る前にRSFが都市部から撤退し、武装解除に応じるべきだとの姿勢を崩しておらず、今回の宣言も「一方的な政治的演出」にすぎないとの見方が根強い。

こうした駆け引きの背後には、2023年4月に始まった内戦の深刻な代償がある。スーダン国軍とRSFの衝突は、これまでに数十万人規模の死者を生み、1400万人を超える人々が国内外へ避難したと推計されている。西部ダルフールでは、RSFが北ダルフール州都エルファーシルを制圧し、飢餓と病気が広がる中で大規模な虐殺疑惑も指摘されている。国連や国際刑事裁判所は、戦争犯罪の可能性に注目しつつ、即時の暴力停止を繰り返し求めている。

3カ月の人道休戦は、そのスケールから見れば小さな時間にすぎない。それでも、援助物資の輸送路が一時的にでも確保されれば、孤立した地域で生き延びている人々の手元に水や食料、薬が届く余地は広がる。停戦が新たな政治対話への入り口になるのか、それとも前例同様に短期間で崩れ去るのかはまだ分からない。ただ、砲声が止んだ隙間に届く支援のトラックや医療車両の列が、荒廃した街の風景をわずかに変える可能性だけは残されている。

RSFが受け入れた「3カ月休戦」と仲介国の思惑

国軍の反発と長期化する内戦が市民にもたらすもの

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