ロシアのラブロフ外相、ウクライナ停戦後の多国籍軍構想を非難

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2025.12.20

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は2025年12月19日、訪問先のエジプトで、停戦後のウクライナに欧州主導の「ウクライナ多国籍軍」を置く構想を「ロシアへの脅威づくりだ」と非難した。停戦の先に何を残すかという議論が、部隊の配置を巡って再び硬直しつつある。

停戦後の「保証」が示すもの

Reutersによると欧州首脳は12月15日、ウクライナの安全の保証に、欧州主導の多国籍部隊を組み込む考えで一致した。任務は、ウクライナ軍の再建支援や領空の安全確保、海上の安全向上などで、停戦監視は米国主導の枠組みを想定するとされる。狙いは、合意後の再侵攻を「起きにくくする」仕掛けを先に用意することだ。

一方でロシアは、西側部隊の派遣構想そのものを危険視してきた。AFPBB Newsは、ロシア側が、ウクライナに展開する外国部隊は正当な攻撃対象になり得ると警告してきたと伝える。ラブロフ氏が今回、「安全保障ではなく足掛かり」と位置づけたのは、停戦後の抑止が、モスクワにとっては脅威の恒久化に映ることを示している。

交渉を前に、論点はどこへ移るか

部隊構想の焦点は、人数よりも「線引き」だ。どの地域に置き、誰の要請で入るのか。武器使用の条件や指揮系統をどうするのか。EUの対外機関EEASは、停戦後に「Multinational Force Ukraine」を展開するための計画づくりが進んでいると公表しており、準備が進むほど、ロシアが求める非NATO化の主張と正面衝突しやすくなる。

ラブロフ氏が発言したカイロでは、エジプトの国営系Ahram Onlineが、エジプト外相が安定と安全を重視し、地域を不安定化させる介入に否定的な姿勢を示したと報じた。停戦の枠組みは欧州だけで完結しない。Reutersが同日伝えたプーチン大統領の「ウクライナは和平交渉の準備ができていない」との見方も含め、保証の形が交渉の入口を広げるのか、逆に「次の対立」を先に作るのかが問われている。

停戦後の「保証」が示すもの

交渉を前に、論点はどこへ移るか

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