ロシアのラブロフ外相、米国のカリブ海行動をエスカレーションと警告

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2025.12.23

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ロシアは2025年12月22日、セルゲイ・ラブロフ外相がベネズエラのイバン・ヒル外相と電話会談し、カリブ海での米国の行動が「エスカレーション」して地域に深刻な影響を及ぼし得るとの懸念を共有したと発表した。ロシアはベネズエラへの連帯と「全面的支持」も改めて示した。

海の取り締まりが火種に、航路リスクをどう見るか

背景には、米国がベネズエラ周辺の海域で制裁の執行を強めていることがある。Reutersなどによると米沿岸警備隊はベネズエラ沖の国際水域で、制裁対象とされるタンカーを追跡している。短期間に複数の船が取り沙汰され、海上の緊張が可視化された。

ロシア外務省の発表内容として、両外相は米国の動きが国際海運への脅威になり得る点を問題視した。新華社は、双方が国連など国際舞台での連携も視野に「主権」や「内政不干渉」の原則を強調したと伝えている。海の安全と政治対立が結び付く構図が、今回の通話の土台だ。

ロシアの「全面的支持」は、軍事支援の示唆というより、まず外交上の背中押しとして響く。米国側はこれを織り込み済みとみられる。Newsweek日本版が紹介したReuters報道では、マルコ・ルビオ米国務長官が、ベネズエラ対応を巡る米ロ緊張の高まりを特段懸念していないとの姿勢を示していた。

一方で、現場の負担は海上輸送に集まる。GuardianやReutersは、取り締まり強化がベネズエラの石油輸出や収入に影響し得るとの見方を伝え、Jamaica Observerも「敵対行為」の応酬が地域に波及しかねないと報じた。航路の安全と制裁執行の線引きをどう保つのかが、次の焦点になりそうだ。