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台湾で対中政策を担う大陸委員会(中国大陸政策の主管機関)は2025年12月29日、台北と上海の交流行事「台北上海都市フォーラム」の閉幕翌日に中国側の軍事演習が始まったと指摘し、習近平政権は台湾海峡の平和と安定を乱す「トラブルメーカー」だと批判した。「台湾人は中国に幻想を抱いてはならない」と注意を促し、交流と安全保障の距離感が改めて焦点になっている。
交流の直後に演習、民間の予定にも影
大陸委員会の発信は、都市レベルの交流の場があっても、軍事的な圧力が同時にかかり得る現実を強調する内容だ。フォーラムは対立の緩衝材として期待されてきたが、当局が「幻想」と言い切ったことで、交流を通じた雰囲気改善に依存しない姿勢が前面に出た。年末の移動が重なる時期だけに、空域の運用変更が続けば、航空便の調整など現場の手間も増える。
中国軍の動きは台湾周辺で確認され、国際メディアは、複数日にわたる大規模な演習として伝えている。演習が「いつ、どこで、どの程度」続くかは、台湾側の公表と中国側の発表が一致しない場面もあり、情報の受け止めが難しい。読者にとっての論点は、交流行事の継続そのものより、演習が常態化したときに生活と経済のコストを誰がどう負担するかに移りつつある。
都市外交の限界と、台湾側が残す選択肢
台北上海都市フォーラムは2010年から両市が持ち回りで続けてきた枠組みで、2025年は上海で開かれた。政治関係が冷え込む局面でも、観光や産業、都市運営の実務交流をつなぐ意義はある一方、台湾当局は安全保障の緊張が高まる場面で「交流が即、リスク低下につながる」とは見ない立場を示した。市民感覚では、交流の成果が見えにくいまま緊張だけが上がると、納得の材料を失いやすい。
台湾側が取り得る道は単純ではない。交流を止めれば対話の窓口が細り、続ければ「演習とセットで既成事実化される」との懸念が残る。大陸委員会のメッセージは、交流の是非を二者択一にせず、軍事的な圧力が加わる局面では、相手の行動を前提にした危機管理と国際社会への説明を優先するという意思表示といえる。次の焦点は、都市交流を維持する場合でも、日程・参加範囲・情報公開の線引きをどう設計し直すかだ。
