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赤坂の議員宿舎に朝の光が差し込むなか、高市早苗総裁は党役員・閣僚人事の最終調整を加速させた。6日午前の協議で骨格を固め、7日に新執行部を立ち上げる段取りが見えてきた。内閣の要となる官房長官には木原稔・前防衛相を充てる方向で調整が進み、党運営の要である幹事長には鈴木俊一総務会長の起用案が有力視されている。少数与党下での舵取りが試される局面である。
新体制の骨格、走り出す朝
2025年10月6日午前、東京・赤坂の衆院議員宿舎。高市氏は側近らと向き合い、電話と面談を織り交ぜながら人事の駒を置いていった。新執行部は7日にも発足させる構えで、党役員の主要ポストから固める手順だ。党内外の視線は、政権の神経中枢である官房長官と、国会運営を束ねる幹事長の人選に集中している。
官房長官については、木原稔・前防衛相の起用で調整が進む。防衛相として安全保障の現場を担った経験を持ち、保守色の濃い政策観で高市氏と呼吸が合うとされる。旧茂木派に籍を置き、総裁選の決選投票で高市支持に回った経緯もある。与野党の緊張が続くなか、省庁横断で危機管理を回す手腕が問われる配置と映る。
一方、党役員の骨格では幹事長に鈴木俊一総務会長を据える案が濃くなっている。財務相などを歴任した調整型のベテランで、野党との交渉や選挙態勢の構築に強みがある。高市氏は「7日までに人事を固める」との方針を周囲に示し、首相指名や組閣に向けた地ならしを急ぐ。節目の24時間が動く朝である。
派閥の貸し借り、誰に有利か
今回の陣立てには派閥力学が色濃くにじむ。決選投票で高市氏への流れを作ったのは、麻生太郎最高顧問の支援だったとされる。鈴木氏は麻生氏の義弟で、麻生派の重鎮でもある。幹事長起用案は、選挙で生まれた「貸し借り」を可視化する配置といえる。少数与党のもと、国会対策と連携工作を同時に回す現実的な選択でもある。
木原氏の要職起用は、旧茂木派への目配りという含みも帯びる。総裁選で競った茂木敏充・前幹事長は外相を含む重要閣僚で調整が続く見通しで、党内融和の象徴となるのかが焦点だ。高市氏は「全員に活躍してもらう」との考えを示しており、競い合った面々をどう生かすかが新体制の信頼度を左右するとみられる。
副総裁には麻生氏の起用案が浮上する。重石となる長老を要に据えつつ、党四役には女性登用を広げる意向も示す。政調会長や選対委員長などでの女性起用案は、内外に示すメッセージ性が強い。他方で、派閥均衡と刷新感の同時実現には綿密な調整が要る。偶然ではなく必然の配置なのか、読み解く視線が広がっている。
官房長官と党四役、政権運営の要
官房長官は、政策調整と情報発信、そして危機管理を一手に担う座だ。国民にとっては毎日の会見で政権の体温を伝える顔でもある。木原氏が就けば、防衛の現場感覚を官邸の司令塔に持ち込む布陣となる。国際環境が揺れるなかで、外交・安保と経済を結ぶ全体設計を描けるか。高市政権の実務力が問われる出発点となる。
幹事長は党内外の要路を握る。鈴木氏は環境相、財務相、五輪担当相を歴任し、総務会長として合意形成を仕切ってきた。少数与党の局面で、野党との交渉や連携拡大の糸口を探る役回りが増すはずだ。派閥間の橋渡しと選挙区事情の織り込み、資金配分の采配まで、手堅さが光るかが鍵になるとみられる。
顔ぶれの処遇も注目だ。小泉進次郎農相、林芳正官房長官、小林鷹之・元経済安全保障相らは、政府か党の要職で生かす方向で検討が続く。政策通と発信力をどう組み合わせ、女性登用の広がりと両立させるか。高市氏の人事観は、少数与党という制約の中でどこまで能動的に布陣を組めるかを映す鏡になる。