本サイトの記事や画像は、AIが公的資料や複数の報道を基に事実関係を整理・再構成し制作したものです。[続きを表示]特定の報道内容や表現を再利用・要約することを目的としたものではありません。ただし、誤りや不確定な情報が含まれる可能性がありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や各出典元の原文をご確認ください。[私たちの取り組み]
北朝鮮への「帰還事業」で渡航した後に脱北した当事者らが、現地で劣悪な生活を強いられたとして北朝鮮政府に賠償を求めた訴訟で、東京地裁は1月26日、事業の違法性を認め計8800万円の支払いを命じた。国交のない相手国を被告とする裁判の限界も、改めて突きつけられた。
帰還事業 違法認定と8800万円賠償
TNCによると、原告は「帰還事業」で北朝鮮に渡り、その後に脱北した4人(遺族を含む)で、計4億円の損害賠償を求めていた。東京地裁は差し戻し審で、帰還事業の違法性を認め、賠償額を計8800万円と判断した。
E STARTニュースは、帰還事業が1959年から1984年にかけて行われ、在日コリアンと日本人の妻など約9万3000人が渡航したと伝える。訴訟では「地上の楽園」といった宣伝が虚偽だった点などが争点となり、渡航前の勧誘と渡航後の生活実態が一体の被害として問われてきた。
Human Rights Watchは、川崎栄子さんらが2018年に提訴し、だまされて渡航したうえで深刻な人権侵害を受けたと主張してきた経緯を紹介する。判決は各原告に2200万円を認めた形となり、当事者の長年の訴えの一部が司法判断として具体化した。
公示送達と資産差し押さえ 執行の壁
ただ、判決を出しても回収までの道筋は平坦ではない。TNCが報じた通り、北朝鮮には判決文を通常の方法で送達できないため、裁判所の掲示板に掲示して送達したものとみなす「公示送達」の手続きが取られる。掲示翌日から2週間以内に控訴がなければ、判決は確定する。
賠償金が支払われない場合、原告側は国内にある北朝鮮の財産を特定し、差し押さえを求めることが理屈の上では可能だ。しかし宮崎日日新聞DIGITALなども伝えるように、実際に対象資産を見つけ、現金化まで進められるかは不透明で、司法判断と実効的救済の間に大きなギャップが残る。
この判決の意味は「勝ったか負けたか」だけでは測れない。国家を相手にした人権侵害の訴えは、法廷で事実を確定し責任の所在を言語化するほど、社会の記憶装置として機能する。一方で執行の困難さは、国交断絶や国際秩序のねじれが、被害回復を構造的に阻む現実も示している。
