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米海軍が構想する「トランプ級」戦艦を巡り、初号艦の建造費が最大220億ドルに達し得るとの初期試算が浮上した。最も低い想定でも151億ドルとされ、艦の仕様次第で米史上屈指の高額艦になる可能性がある。構想の象徴性が先行する一方、費用と実現性が早くも政治課題になりつつある。
初期試算が示す桁違いのコスト 何が金額を押し上げるのか
建造費の上振れ・下振れ幅が大きいのは、まだ要求性能が固まっていないためだ。ブルームバーグが伝えたところでは、米議会予算局(CBO)の海軍戦力アナリスト、エリック・ラブス氏が1月15日にバージニア州で開かれた海軍関連会議で初期分析を公表し、最大220億ドルの可能性を示した。同報道によれば、排水量、乗員数、兵装などの決定が最終コストを左右し、低いシナリオでも151億ドルに及ぶ。つまり、設計が具体化するほど「どの能力を優先するか」が、そのまま巨額の財政負担に跳ね返る構図である。
そもそも「トランプ級」は、現代の艦隊構想としても異例の“戦艦”復活を掲げる点で注目を集めてきた。ガーディアンは、トランプ大統領が2025年12月に「トランプ級」建造計画を公表し、当初は2隻から始め、将来的に20〜25隻へ拡大する青写真を示したと報じている。テレビ朝日も、極超音速兵器などの最新装備や核兵器搭載に言及しつつ、「黄金艦隊」構想として造船業再建を狙う見立てを伝えた。名称の政治性を含め、軍事技術の議論と国内産業・雇用の議論が絡み合うのが、この計画の特徴である。
実現性と戦略の整合 議会と産業基盤が試金石
コスト論争の根底には、巨大艦を中核に据える戦い方が、現代の脅威環境と整合するのかという疑問がある。対艦ミサイルや無人機が拡散する中で、大型艦は高価な標的にもなり得るため、分散運用を重視する潮流とは緊張関係に立つ。加えて、レールガンや高出力レーザーといった要素技術は、搭載を前提にすると艦の電力・冷却・重量設計まで連鎖的に難度が上がる。要件が盛られるほど、建造費だけでなく、運用・維持の長期コストも膨らみやすい。
今後の焦点は、海軍が要求性能をどこまで現実的に切り詰め、議会がそれを予算と優先順位の中でどう評価するかに移る。ブルームバーグが伝えた幅の大きい試算は、計画が「決め切れていない」段階であることの裏返しで、政治判断が艦の姿を規定する余地が大きいことも示す。もし高額のまま進めば、他の艦艇・潜水艦・無人戦力への投資配分にも影響し、調達全体の設計図を描き直す圧力が強まるだろう。巨艦の復活が実利に結び付くのか、それとも象徴的プロジェクトにとどまるのかが、米国の造船力と国防戦略の現実を測る試金石となる。
