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ウクライナ政府は6日、ロシア軍が夜通し放った無人機とミサイルにより、各地のエネルギー施設や鉄道が損傷し、数千世帯で暖房や水道が止まったと発表した。攻撃に使われた無人機は653機、ミサイルは51発に上り、冬の生活を支えるインフラが一斉に揺さぶられている。
暖房と鉄道、同時に奪われた日常
政府や当局によると、チェルニヒウ、ザポリージャ、リビウ、ドニプロペトロウシクなど複数の州で発電所や熱供給設備が標的となり、配管や変電設備の損傷で一時的に暖房と給水が途絶えた地域が生じた。
南部オデーサ州では、約9,500世帯が暖房を、約3万4,000世帯が水道を失ったままだと、地域開発省とエネルギー省が明らかにしている。ポート施設も被害を受け、一部は自家発電に頼りながら港湾機能を維持しているという。
鉄道も例外ではない。首都キーウ近郊ファスティウの鉄道拠点では車両基地や車両が炎上し、近郊列車の運休やルート変更が相次いだとウクライナ国鉄は伝えている。通勤や物資輸送に鉄道への依存が高い同国では、停電と運休が重なれば、病院や避難所への燃料・食料輸送にも影響が及びかねない。
エネルギー網を狙う戦略と、続くリスク
ウクライナ空軍は、ロシア軍が発射した653機の無人機と51発のミサイルのうち、585機と30発を迎撃したが、残りがエネルギー施設に命中したと説明している。ゼレンスキー大統領はSNSで「主な標的は再びエネルギー施設だ。目的は何百万人もの国民に苦しみを与えることだ」と述べ、冬場の市民インフラを計画的に攻撃していると非難した。
国際原子力機関（IAEA）は、同夜の軍事行動が送電網を揺さぶり、稼働中の原子力発電所が出力を抑える対応を迫られたほか、ザポリージャ原発が一時すべての外部電源を失ったと報告している。停電や断水のたびに現場を支える技術者や鉄道員、市民ボランティアの負担をどこまで許容しつつエネルギーと交通の基盤を守るのかが、戦争終結に向けた交渉と復興の行方を左右しそうだ。
参考・出典
- Russian drones, missiles hit railway hub near Ukraine's capital, railway says – The Economic Times
- Russian drone, missile attacks target Ukrainian railways and power infrastructure in overnight barrage – ABC News
- Russian drones, missiles hit Ukraine power and transport sectors, Kyiv says – ThePrint – ReutersFeed
- Widespread military activities overnight affect electricity grid, prompt Ukraine’s operating NPPs to reduce output – IAEA
- Russian drones, missiles hit Ukraine power and transport sectors, Kyiv says
- Overnight Russian strike on Ukraine triggers heating, water cuts
- Russia launched a massive missile and drone attack on energy facilities in 8 regions, causing power outages – Ministry of Energy
- Russia targets Ukraine's energy infrastructure with 653 drones and 51 missiles
