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ウクライナ軍参謀本部は2025年12月28日夜から29日未明にかけ、ロシア中部サマラ州シズラン市のシズラン製油所を無人機（ドローン）で攻撃し、火災が発生したと発表した。同製油所への攻撃を主張するのは12月5日に続き今月2度目で、被害の程度は現在確認中だとしている。
「火災」は確認、損傷の大きさは不明
参謀本部はテレグラムへの投稿で、攻撃用無人機が製油所の敷地に着弾し、その後に火災が起きたと説明した。一方で、設備の損傷や操業への影響については「確認中」としており、現時点で生産停止や復旧見通しといった踏み込んだ情報は出していない。
ロシア側の被害認定や詳細な写真・映像の検証が追いつかない局面では、「燃えている」事実と「どの設備がどれだけ壊れたか」は別物になる。火災が出ても、重要設備の損傷が限定的で短期復旧にとどまるケースもあるため、戦況への影響は損傷箇所の特定を待つ展開になりそうだ。
燃料の流れを狙う一方、効果測定は難しい
ウクライナはロシアの石油・ガス関連施設への攻撃を、軍事・経済力を削ぐ手段の一つとして位置づけてきた。シズラン製油所は国営系のRosneft傘下とされ、設計上の処理能力は年850万トン規模との指摘もある。ウクライナから千キロ超離れた地域が対象になる点は、ロシア側の警戒コストを広げる効果も持つ。
ただ、論点は「攻撃できたか」だけではない。燃料供給網にどんな遅れや追加コストが出たのか、逆にロシアが防空や分散備蓄で吸収できるのかは、外から見えにくい。短期的な火災が注目を集めても、長期の消耗戦で効くのは操業停止の期間や代替輸送の負担であり、双方が効果を測りにくい局面が続くとの見方もある。
