民主党議員がトランプ氏に書簡　中軍機レーダー照射受け日本支援強化を要請

※記事を視覚化したイメージであり、実際の事象とは異なります。

2025.12.10

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米下院外交委員会の東アジア・太平洋小委員会で筆頭格を務めるアミ・ベラ議員ら民主党の2人が、12月8日付でトランプ大統領に書簡を送った。中国軍機が沖縄県周辺の上空で航空自衛隊戦闘機に対しレーダーを照射した事案や、対日輸入規制などの圧力を踏まえ、日本への支援強化と関税見直しを求めたものだ。米議会からのこうした一手は、日本の安全保障と経済にどんな意味を持つのか。

レーダー照射が突きつけた日本の前線

防衛省によれば、6日午後、沖縄本島南東の太平洋上で中国海軍空母「遼寧」から発進したJ15戦闘機が、2度にわたり航空自衛隊F15戦闘機にレーダー波を断続的に照射した。実際の被弾や負傷はなかったが、日本政府は「極めて危険な行為」として中国側に強く抗議した。

この事案の後も、中国軍機は沖縄周辺での離着艦訓練を続けている。日本と中国の防衛当局間には偶発的衝突を防ぐホットラインがあるが、今回の事態では十分に機能していないとの指摘もあり、現場で警戒に当たる自衛隊員の心理的負担は一段と増している。

同じ時期に、北京は日本産食品の輸入停止や観光客の送客抑制、文化イベントの中止なども相次いで打ち出しているとされる。安全保障と経済の両面で包囲される形となり、沖縄を含む沿岸部の住民や企業は、偶発的な軍事衝突だけでなく、長期的な景気悪化への不安も抱えざるを得ない。

米議会の書簡が示す支援とリスク

ベラ議員とグレゴリー・ミークス議員は書簡で、中国が日本に対して輸入停止や観光ビザの制限など多様な経済的圧力をかけていると指摘し、これらがインド太平洋全体の安定を脅かすと訴えた。そのうえで、米国が対日関税を緩和し、圧力で傷ついた産業を下支えすべきだと主張している。

書簡はまた、中国が過去に韓国のTHAAD配備やリトアニアの対台湾関係強化、豪州の新型コロナ起源調査要求に対しても貿易制限で報復してきたと列挙し、「経済的威圧」を国際問題として位置付ける。米議会は、こうした手法が日本への軍事的威嚇と組み合わさることを警戒していると、米メディアや時事通信は報じている。

日本にとって米議会の動きは、関税負担の軽減という短期的な恩恵だけでなく、対中抑止の網の一部として位置づけられる可能性がある。一方で、軍事・経済の双方で米中対立の最前線に立つ負荷も増す。どこまで米国に歩調を合わせつつ独自の危機管理を組み立てるのか、日本の政策判断が問われている。

参考・出典

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