中国が米国に核軍縮の主導要求　外務省、責任は米側にと主張

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2025.12.23

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中国外務省の林剣報道官は2025年12月23日の定例記者会見で、核軍縮を進める責任は米国が率先して果たすべきだと述べ、他の核兵器保有国が軍縮に動ける条件を米国が整えるべきだと求めた。米中が互いの核戦力をめぐって応酬する構図が鮮明になっている。

「責任は米国」と突き返す中国、軍縮の入口は見えたか

林報道官は、中国が先制不使用の核兵器政策と自衛の核戦略を堅持していると強調した。先制不使用は、相手が核兵器を使わない限り先に核兵器を使わないという考え方だ。中国はいかなる国との核軍拡競争にも関与しないとも述べ、議論の矛先を米国の姿勢に向けた。

この発言の背景には、米国防総省の報告書案が中国の核戦力の拡大を指摘したことがあるとされる。Reutersは、報告書案が中国の新設サイロ地帯における大陸間弾道ミサイルの運用状況などに言及し、中国側が米国の核戦力近代化を正当化する材料にされているとの見方を示したと伝えた。

核不拡散の看板と現実、対話が止まるリスク

中国は近ごろ、周辺国の核武装論にも神経を尖らせている。外務省は12月22日の会見で、日本の核兵器保有に関する発言に「衝撃を受けた」と反発し、核拡散防止条約（NPT）上の義務などを持ち出して批判した。核兵器をめぐる議論の温度が上がるほど、中国は「抑制」を掲げて外交的な正当性を確保したい局面ともいえる。

ただ、軍縮の議論は「誰が先に譲るか」という条件闘争になりやすい。Reutersが触れたように、米中間では軍備管理や透明性をめぐる溝が埋まらず、米露の枠組みの先行きも不透明感が強い。相手の意図を決めつける応酬が続けば、偶発的な危機を避けるための実務的な対話まで細る懸念が出ている。