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イランで続く反政府デモの弾圧を巡り、米国が制裁カードを切った。米財務省は米国時間1月15日(日本時間16日)、弾圧の「設計者」だとしてイランの治安・統治中枢に近い幹部らへの制裁を発表し、資金の海外逃避も追跡すると警告した。制裁は人権問題に加え、弾圧を支える資金循環そのものを断つ狙いがにじむ。
弾圧の指揮系統を名指し 地方治安機構まで対象に
米財務省の発表によると、外国資産管理室(OFAC)は、国家安全保障最高評議会(SCNS)の事務局長アリ・ラリジャニ(Ali Larijani)を含むイラン側の幹部5人を制裁対象に指定した。対象にはイスラム革命防衛隊(IRGC)と法執行部隊(LEF)の地方司令官も含まれ、抗議行動への武力対応を現場で指揮したと位置付けられている。米側は、デモ開始(2025年12月)以降に多数の死傷者が出ているとした上で、実弾使用などを含む強硬対応が常態化したとの認識を示した。つまり今回の指定は、象徴的な糾弾にとどまらず、治安組織の指揮系統に「個人の責任」を負わせる構図を明確にした措置である。
具体的には、ロレスターン州のLEF司令官モハンマド・レザ・ハシェミファル、同州のIRGC司令官ネマトラ・バゲリ、ファールス州のLEF司令官アジゾッラー・マレキ、同州のIRGC司令官ヤドッラー・ブアリが名を連ねる。米財務省は、遺体の引き渡しを巡る威圧や、家族に当局の説明に沿った証言を迫るといった事例にも触れ、弾圧が一過性の衝突ではなく「統治手法」として動員されていると示唆した。制裁の実務上は、米国内資産の凍結や米国人との取引禁止が柱で、国際金融取引でも二次的な萎縮効果を生みやすい。ここが、外交声明よりも制裁が効きやすいとされる理由である。
資金洗浄網にも照準 追跡強化で制裁逃れを封じる構え
今回の発表は、人権弾圧の当事者だけでなく、資金洗浄を担う「影の銀行(shadow banking)」ネットワークにも踏み込んだ点が特徴だ。米財務省は、イランの石油・石油化学製品の販売収益を海外市場で資金化する過程で、バンク・メッリ(Bank Melli)やシャフル銀行(Shahr Bank)に結び付くネットワークが使われているとして、18の個人・団体も別途指定した。ここで言う影の銀行とは、正規の銀行送金が制裁で制約される中、フロント企業や両替商などを介して実質的な決済を成立させる迂回路である。要するに、弾圧の「腕」を縛るだけでなく、その腕を動かす「資金の血流」を止めにいく二段構えだ。
ベセント(Scott Bessent)財務長官は動画で、当局が国外の銀行・金融機関に移される資金の流れを把握し追跡する考えを示したと、米財務省やロイターが伝えている。根拠となる大統領令は、人権侵害に関するE.O.13553や最高指導者周辺を対象とするE.O.13876、金融・石油部門を対象とするE.O.13902などで、制度面でも「人権」と「資金源」を同時に叩ける設計になっている。今後は、指定対象の追加だけでなく、第三国の金融機関や取引仲介業者がどこまでリスクを回避するかが実効性を左右する。制裁が資金逃避を加速させる可能性もある一方、迂回取引のコスト上昇が長期的に政権側の統制力に影響する余地もあり、圧力と反作用の綱引きが続く公算が大きい。
参考・出典
- Secretary Bessent Announces Sanctions Against Architects of Iran’s Brutal Crackdown on Peaceful Protests (U.S. Department of the Treasury)
- US imposes sanctions on Iran over crackdown on protesters (AL-Monitor/Reuters)
- US imposes sanctions on Iran over crackdown on protesters (L’Orient Today/Reuters)
- US imposes sanctions on Iranians it alleges ‘drove’ crackdown on protesters (The Indian Express)
