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韓国で開かれているアジア太平洋経済協力会議（APEC）に合わせ、台湾代表団は10月31日、米台の貿易協議が「実務はほぼまとまり、現在は文書の交換段階にある」と説明した。30日には楊珍ニー交渉代表が米通商代表部のリック・スウィッツァー副代表と会談したが、関税の取り扱いなどは引き続き協議中で、半導体は従来どおり関税の対象外とされる。現時点で確認されている範囲では最終合意には至っていない。
交渉の現状と論点
現時点で確認されている範囲では、双方は技術的論点の詰めをほぼ完了し、テキストの擦り合わせに進んでいる。台湾側は「産業成長と経済発展を促進するより深い協力」への期待を示し、会期中の接触で進捗を確認したと述べている。一方で、米通商代表部はコメントしておらず、発表済みの情報は声明要旨に限られ、細目や期限は示されていないとみられる。
焦点の一つは関税の引き下げである。台湾側は、早期に合意可能な部分から前進させる意向をにじませるが、個別品目の扱いや発効時期などの詰めは継続している。半導体は現在も関税の対象外とされ、供給網の安定を意識した枠組みづくりが並行して議論されているとみられる。最終合意のタイミングや発表方法は未定で、引き続き会合外での文書交換・実務協議が続く見通しである。
20％関税と半導体
台湾の対米輸出には、米国が導入したいわゆる「対等関税」により、最恵国税率に上乗せする形で暫定的に20％が課されているとされる。台湾政府はこの「上乗せ」方式の見直しや税率の引き下げを交渉方針に掲げ、産業への影響を抑える構えである。半導体は主要輸出品であるが、現在は関税の対象外とされ、協議は他の工業品・農産品を中心に進む。
一部報道によれば、今回のAPECに合わせた接触は交渉全体の最終段階に向けた位置づけで、当面は文書の往復と法技術的な整合作業が続く。台湾側は国内の説明責任にも言及しており、合意に達した場合は内容を透明に示す方針だと強調している。最終的な合意条項や適用時期、関税の段階的取り扱いなどは、今後の米側の対応を見極めつつ調整が続く見通しである。
