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ベネズエラで原油の「出し口」が細り、国内の在庫が積み上がっている。米国が制裁対象のタンカーに対する封鎖を強め、輸出船の動きが止まりがちになったためだ。国営石油会社Petróleos de Venezuela S.A.(PDVSA)は陸上タンクの余裕が乏しくなり、領海内で待機するタンカーへの積み込みを進め、海上に貯蔵を移す対応に踏み切った。
満杯のタンクが突きつける、採掘の「止めにくさ」
PDVSAが始めたのは、原油や燃料油を積んだタンカーを出港させず、自国の海域で“浮かぶ倉庫”として抱え込むやり方だ。輸出が滞る局面では過去にも見られた手段だが、今回は「陸が詰まった」ことが引き金になった。岸壁の配管や計量の順番が詰まると、次に到着する油の行き先がなくなる。
PDVSAは日量約110万バレルを生産しており、主力のホセ(Jose)ターミナルにはオリノコ地帯の超重質油が集まる。報道では、同拠点の在庫が12月時点で約1260万バレルに達し、国全体でも約2200万バレルと、少なくとも2025年8月以来の高水準になったとされる。現場では、タンクのゲージが上限に近づくほど、次の1隻をどこに入れるかが日々の仕事になる。
海上で止まる輸出、法律で押し返す国内の構え
背景にあるのは、米国による取り締まりの強化だ。米沿岸警備隊は12月、ベネズエラ産原油を積んだタンカーの拿捕や阻止を重ね、さらに別のタンカーを追跡していると報じられた。米大統領が「制裁対象のタンカー」を封鎖すると表明したことで、船主側が運航をためらい、領海内に出港待ちのカーゴが十数件以上たまる構図が生まれた。荷主にとっては、沖合で待たされる時間そのものがコストになる。
ベネズエラ側も手をこまねかない。国民議会は、海上封鎖や「海賊行為」などを促進・資金面で支える行為に最長20年の禁錮刑を科す新法を可決し、抑止の姿勢を示した。一方で、米Chevronは現地事業と輸出を続けているとされるが、共同生産分だけでは輸出の穴は埋まらない。PDVSAは契約条件の見直しや値引き交渉も迫られており、海上貯蔵の拡大が「一時しのぎ」で終わるのか、それとも生産計画そのものを揺らすのかが次の焦点になる。
