ベトナム中部 豪雨が直撃、洪水土砂崩れで死者55人・行方不明13人

ベトナム中部で洪水と土砂崩れ深刻化 55人死亡・13人不明、広がる被害

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エンジン音を響かせながら、小型ボートが濁流の住宅街を縫う。屋根の上で助けを待つ人びとを、救助隊が1人ずつ抱きかかえて運び出している。ベトナム中部では2025年11月16日ごろから続く豪雨で洪水と土砂崩れが相次ぎ、22日までに少なくとも55人が亡くなり、13人の行方がわからないままだ。

増え続ける犠牲と各地の被害

環境省の集計によると、16日以降の大雨は中部から中央高地と呼ばれる高原地帯まで6つの省を襲い、22日までに55人の死亡と13人の行方不明が確認された。犠牲者のほぼ半数は山がちなダクラク省で、ここだけで少なくとも27人が命を落としたとされる。観光地ニャチャンを抱えるカインホア省でも14人が死亡し、海辺の街はいまも一部が浸水している。

沿岸部のニャチャン市街では、通りが茶色い水路のようになり、家屋の1階部分がすっぽり水に沈んだ。高原の避暑地ダラットとニャチャンを結ぶ峠道では土砂崩れが発生し、バスがのみ込まれて乗客に死者が出たと報じられている。山あいの集落では、増水した川がかつての氾濫記録を超え、樹上や屋根に取り残された人を救おうと、軍や警察のボートがひっきりなしに行き来しているという。

暮らしをのみこむ水害と経済への痛手

水は人の命だけでなく暮らしそのものも奪っている。政府の災害当局によれば、今回の洪水で約950棟が全半壊し、23万5000戸を超える住宅が浸水した。農地ではおよそ8万ヘクタールの作物が被害を受け、家畜や家きんも数百万頭規模で失われたとされる。中部と中央高地はコーヒーやゴムなどの一大生産地であり、観光地も多く、被害額は少なくとも8兆9800億ドン、約500億円規模に上ると見積もられている。

インフラへの打撃も大きい。主要な幹線道路や山岳道路の一部は、土砂崩れや冠水で通行不能が続き、物資や救援隊の移動を妨げている。停電は最盛期に100万人以上をのみ込んだが、復旧が進んだ今も約30万人が電気のない生活を強いられていると環境省は説明する。学校の休校や病院の機能低下も重なり、被災地の日常はまだ遠い。

頻発する極端気象と向き合うベトナム

ベトナムは昔から台風や豪雨の多い国だが、ここ数年は被害の規模と頻度が増している。統計局のまとめでは、2025年1〜10月だけで洪水や暴風などの自然災害により全国で279人が死亡または行方不明となり、経済損失は20億ドルを超えた。気候研究者たちは、人為的な温暖化が東南アジアの豪雨を強め、今回のような記録的降雨の発生しやすさを高めていると指摘する。

今年は北部でも9月から10月にかけて洪水が相次ぎ、少なくとも80人以上の死者・行方不明者を出したばかりだ。政府は山間部での違法伐採や危険地帯への居住を抑えつつ、早期避難につながる気象情報の伝達を強化する必要があるとされる。すでに今回の災害では、軍のヘリコプターやボートが投入され、住民の避難や食料の輸送が続いているが、被害の拡大を食い止めるには事前の備えと土地利用の見直しが欠かせない。

濁流が去った集落では、家々の壁に残る泥の筋が、水かさの高さを静かに物語っている。住民たちはぬかるんだ路地を行き来しながら、壊れた家具を運び出し、まだ重く垂れこめる雲をときおり見上げている。

参考・出典

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