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東京理科大学の四反田功准教授、藤澤拓真氏らの研究グループは、汗中のナトリウムイオンとカリウムイオンに応答するウェアラブルセンサーを開発した。同大が2026年10月9日に発表した。長時間の事前調整を必要とせず、建設現場で通常の作業を続けながら約2時間45分、両イオンの応答信号を取得し、無線送信・保存できることを確認した。
現場での信号取得と安定した計測を支える構造
装置は、両イオンに対応するイオン選択性電極、測定の基準となる液絡型参照電極、布と高吸水性繊維による試料搬送層、腕時計型の無線計測装置で構成する。電極、試料搬送機構、無線計測回路を単一のデバイスに統合した点が中心的な成果だ。
従来のイオンセンサーでは、参照電極の電位が安定するまで長い事前調整を要する場合があった。今回採用した液絡型参照電極は、内部の電解質と試料を液絡部を介して電気的に接触させることで、電位の安定化を図る。
比較試験では、液絡層を設けていない参照電極は外部の塩化カリウム濃度の影響を受けやすく、電位の変動が続いた。一方、液絡型参照電極を10 mMの塩化ナトリウム水溶液中で評価した結果、3000秒間の電位変化は約6 mVだった。
実験室での評価では、電位応答の感度はナトリウムが48.3 mV/decade、カリウムが46.4 mV/decadeだった。
建設現場での実地試験では、作業員1人がセンサーを装着し、通常の作業中に約2時間45分、両イオンに応答する電位信号を連続取得した。信号は標準水溶液で作成した検量線に基づいて「見かけの濃度」に変換し、無線送信とデータ保存も確認した。
今回実証したのは現場での信号取得と装置の動作であり、熱中症の判定精度や水分補給支援の有効性を確認したものではない。
四反田准教授は、発汗量や水分摂取量などの情報と組み合わせ、体調管理や水分補給の支援に応用することを期待している。研究成果は2026年9月21日、ACS Omegaにオンライン掲載された。
