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スマホの画面に次々と「ありがとう」の文字が流れた。ウクライナのゼレンスキー大統領が、現地時間2025年11月24日夜、X(旧ツイッター)で各国首脳らに感謝の言葉を送り続けたのだ。およそ1時間のあいだに13人の指導者へ「支援に感謝する!」と返信し続けたこの動きは、その前日にトランプ米大統領から「ウクライナ指導部は我々の努力に感謝を示していない」と非難を浴びた直後のことだった。
トランプ氏の「感謝ゼロ」発言と積み上がる記録
発端は2025年11月23日、トランプ米大統領が自身のSNSに投稿した一文だった。彼はロシアとの戦争を終わらせるための米国主導の和平案を持ち出しながら、ウクライナの「指導部は我々の努力に感謝ゼロだ」と強い不満を表明した。支援の規模に比べ謝意が足りないという主張は、政権の支持層に訴えかけるメッセージとしても機能している。
しかし、その評価とは裏腹に、ゼレンスキー大統領が感謝を繰り返してきたことを示す記録もある。米CNNのファクトチェック記事は、ロシアの全面侵攻が始まった2022年以降、公の場やSNSで米国への謝意を示した事例を少なくとも78件列挙した。そこにはバイデン前政権への言及だけでなく、トランプ氏再登場後の発言も含まれ、軍事・財政・外交支援に対して繰り返し「米国とその人々に感謝する」と述べてきた軌跡が並ぶ。数字は、少なくとも「一度も感謝していない」という断言とは食い違っている。
SNSに連なる「ありがとう」が映す感謝外交
その翌日、ゼレンスキー氏はX上で世界の指導者へ次々と謝意を投げかけた。エストニアのミハル首相、スウェーデンのクリステション首相、ルクセンブルクのフリーデン首相ら、ウクライナ支援を続ける欧州の首脳たちに対し、「支援に感謝する!」と返信を重ねたと報じられている。米国だけでなく、多数のパートナーの名を一人ずつ挙げて言葉を返す行為は、継続支援への期待と敬意を可視化するものでもある。
ロシアの侵攻で軍事・経済の両面を同盟国に依存するウクライナにとって、「ありがとう」は単なる礼儀以上の意味を帯びる。CNNやウクライナ側の集計が示すように、ゼレンスキー氏は米国とその政権、議会、市民に何度も感謝を表明してきたうえで、24日には欧州首脳にも連続して謝意を示した。トランプ氏の「感謝ゼロ」という言葉と、実際に積み上げられた発言やSNSの記録、そしてあの夜の13件の投稿。その落差が、戦時の指導者がどれほど意識的に「感謝外交」を操ろうとしているのかを、静かに浮かび上がらせている。
