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台湾国防部は2025年12月30日、台湾時間29日午前6時から30日午前6時までの24時間に、中国の軍用機を延べ130機確認したと発表した。うち延べ90機が台湾海峡の中間線を越えたとしている。中国側が同時期に軍事演習を打ち出すなか、台湾は「監視と即応」を常態化させているが、航空や海上交通を含む民間の負担もじわりと膨らむ局面だ。
中間線越えが増えるほど、監視の手間が増える
国防部の発表では、確認した130機のうち90機が中間線を越え、北部や中部、西南、東部の空域で活動した。中間線は法的に定めた国境ではないが、長く「越えない」ことで緊張を抑える役割を担ってきた線だ。越境の回数が増えるほど、警戒監視や部隊運用の回転数が上がり、現場では短い間隔で対応判断を迫られやすい。
今回の公表には、中国艦艇14隻と公務船8隻の確認も含まれる。台湾側は任務機や艦艇、岸置きのミサイル部隊などで監視と対処に当たったとしており、空と海の動きが同時に増えるほど、警戒の網をどう維持するかが問われる。防空識別圏(領空ではないが識別のため設定する空域)での接近が続けば、誤認や接触のリスク管理も重くなる。
演習の発表と実弾射撃、民間の航路にも影響
台湾メディアや中央社などによると、中国軍は「正義使命-2025」とする演習を掲げ、12月30日に台湾周辺の複数海空域で実弾射撃を行う計画も示した。台湾国防部は応変中心(対策拠点)を設け、即時の備戦操演を始めたとしている。軍同士の動きが過密になるほど、民間航空や船舶が「安全側」に回避行動を取りやすく、運航の遅れや迂回が現実問題になる。
論点は二つある。第一に、台湾側が抑止のために強く出るほど偶発的衝突の可能性が上がり、逆に慎重に抑えれば既成事実化を許すとの懸念が残る点だ。第二に、周辺国を含む民間活動のコストが、軍事的圧力の「見えにくい効果」として積み上がる点である。今後は、演習がどれだけ継続するかだけでなく、中間線越えの頻度が平時に戻るのかが、緊張度合いを測る一つの目安になる。
参考・出典
- 中共軍演前一日 130架次共機擾台 90架次越海峽中線 | 軍事 | 要聞 | 聯合新聞網
- 中共軍演 90架次共機越台海中線擾台 – 政治新聞 – PChome Online 新聞
- Taiwan tracks 130 PLA aircraft, 22 ships amid Chinese drills | Taiwan News | Dec. 30, 2025 09:48
- 中共圍台軍演 國防部偵獲130架共機、共艦公務船22艘
- China launches live-fire drills around Taiwan simulating blockade of major ports | Taiwan | The Guardian
