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独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は10月23日、企業・組織向け「サイバーセキュリティ相談窓口」の2026年第3四半期(7~9月)の相談対応件数が309件だったと公表した。前四半期から約2.3%増加した。社員のマイクロソフトアカウントから大量のメールが送信され、外部アプリへのOAuth同意も確認された相談事例を紹介し、調査方法と予防策を示している。
相談総数は前四半期の302件から309件に増えた。このうち、平時の対策に関する相談は21件から41件となり、約2倍に増加した。集計対象は企業・組織向けの窓口で、個人向けの「情報セキュリティ安心相談窓口」とは区別される。
外部アプリへのOAuth同意が確認された大量メール送信の事例
IPAが紹介した相談事例では、社員1名のマイクロソフトアカウントから大量のメールが送信され、そのアカウントに「アプリA」へのOAuth同意が付与されていた。第三者によってメール送信操作が行われた可能性が高いとされるが、相談企業は侵入経路と情報漏えいの有無を調査中だった。
OAuth同意攻撃は、利用者に悪意あるアプリへのアクセスを許可させ、付与された権限を利用してメールやファイルなどの情報を取得する手口だ。メール送信権限が与えられた場合には、なりすましメールやスパムの送信にも悪用される可能性がある。
Entra IDとExchange Onlineのログを照合
IPAは調査にあたり、マイクロソフト Entra IDの監査ログやサインインログから、アプリケーションIDと発行元、付与されたアクセス権と日時、サインイン元のIPアドレスを確認するよう勧めている。OAuth同意の時点と不審な利用の開始時点との関係を調べるためだ。
Exchange Onlineでは、監査ログやメッセージトレース、メールボックスの転送設定、受信トレイルールなどを確認する。送信への悪用だけでなく、受信メールなどのデータが取得された可能性も調査対象となる。
同意するアプリと権限の制限を検討
予防策としてIPAは、Entra IDのアプリケーション同意設定の見直しを挙げた。利用者が任意のアプリに同意できる場合は、検証済みの発行元や許可する権限を限定する設定、管理者による同意・承認の運用などを検討するよう案内している。
利用者に対しても、同意画面に表示されるアプリ名、発行元、要求されるアクセス権を確認し、判断できない場合には承認しないよう求めている。
