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緩やかなカーブの公道を試験車両が走るたび、基地局と端末のAIが瞬時に送受信を調整した。NTTドコモはNTT、Nokia Bell Labs、SKテレコムと共同で、6Gに向けたAI活用の無線技術を神奈川県横須賀市の屋外で検証し、リアルタイム送受信の実証に成功した。AIを使わない場合と比べ、同条件で通信速度(スループット=一定時間あたりの実効通信量)が最大で2倍以上に達したという。
ドコモら、屋外の実証でAI-AIが速度を押し上げる
ドコモは世界で初めて屋外での実証に成功したと発表した。試験は横須賀市内の3地点で実施し、遮蔽物の有無や端末の静止・移動といった条件を変えて、AIを使う場合と使わない場合の性能を同一環境で比較した。AI-AI(送信側と受信側の双方にAIを導入する方式)を適用し、環境変動に応じてリアルタイムに最適な送受信へ切り替えた。
コースは3種類だ。公道を最高時速40kmで走る緩やかなカーブを含む環境、部分的に遮蔽物がある環境、最高時速60kmで走る遮蔽物の少ない道路の環境である。いずれも通信品質の落ち込みを抑え、速度が向上。最も複雑な前者では平均18%、区間最大で100%のスループット改善が確認された。可視化しづらい“つながりにくさ”を、数値として押し戻した格好だ。
不安定な電波に即応、6Gの効率と省電力へ
無線通信は気温や天候、障害物の影響で電波伝搬が揺らぎ、品質が不安定になりやすい。今回の手法は、AIが伝搬環境を学習し、変調・復調(電波の載せ方と読み取り方)をその場で最適化するものだ。屋内の検証で有効性が示されていたが、屋外でも安定して効果を出せるかを確認した。AIが現場で判断し、端末と基地局の両輪で損失を抑える設計思想が軸にある。
成果は利用者にとってはより速く切れにくい体験につながり、事業者にとっては周波数帯域あたりの伝送効率向上をもたらす。6Gで求められる高効率と低消費電力の両立に一歩近づいたといえる。屋内中心だった評価から、運用を見据えた段階へと舞台が広がったことで、装置設計や電力最適化の検討も現実味を帯びる。各社はこの流れを確かめるように、実装に向けた研究開発を加速させる考えだ。
