中国が米国の船舶拿捕を批判、「重大な国際法違反」

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2025.12.22

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中国外務省は22日、米国が他国の船舶を恣意的に拿捕する行為は重大な国際法違反だとして、あらゆる一方的で違法な制裁に反対する立場を示した。林剣報道官は、ベネズエラには他国との関係を発展させる権利があるとも述べた。

海の「取り締まり」はどこまで許されるのか

発言の背景には、カリブ海で米沿岸警備隊がベネズエラ近海のタンカーを追跡し、制裁逃れに関与した疑いがある船舶への対応を強めている状況がある。Reutersは12月21日、米側が「3隻目」を追跡していると報じ、過去2隻の差し押さえに続く動きだと伝えた。

ここで言う拿捕は、船を拘束して連行することだ。米側は司法手続きに基づく「差し押さえ」だと位置付ける一方、対象国は主権侵害や「海上の強制」と受け止めやすい。中国外務省は10月15日の会見でも、米国の他国船舶への「過度な執行」を問題視し、法的枠組みに沿った協力を求めていた。

船舶の追跡や差し押さえが常態化すれば、当事国だけでなく、荷主や保険、寄港地の判断にも影響が及ぶ。Guardianは、制裁回避に使われる「影の船団」という不透明な輸送網が拡大し、臨検や拿捕が軍事的緊張に転じる危うさがあると報じた。

法的評価の舞台も国連へにじみ始めている。Newsweek日本版は10月22日、ベネズエラ沖の公海上での米軍の船舶攻撃を、国連の独立専門家グループが国際法上問題があるとの趣旨で指摘したと報じた。こうした批判が重なるほど、各国は「誰が海の秩序を決めるのか」という問いを突き付けられる。