中国軍の台湾周辺演習、トランプ大統領は侵攻否定的見解

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2025.12.30

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中国軍が台湾周辺で、島を取り囲む形の大規模な軍事演習を始めた。2025年12月29日（米東部）、米国のトランプ大統領はフロリダ州パームビーチで記者団に対し、動きを重大視しない考えを示し、習近平国家主席が武力侵攻に踏み切る見方にも否定的な発言をした。現場の緊張と、米国側の言葉の温度差をどう受け止めるかが問われている。

空と海の「回り道」が増える、台湾は警戒を続行

中国側は、陸海空やミサイル部隊などを動員し、台湾海峡や台湾の周辺海空域で訓練を行うと説明している。報道では、港の封鎖を想定した内容や実弾射撃を含むとされ、台湾側は部隊の警戒を高め、即応の訓練や監視を続けている。台湾が「威嚇だ」と反発する一方、中国は「外部勢力への警告」と位置づける。

影響は軍事だけにとどまらない。危険空域・海域の設定により、航空便の迂回や欠航が生じ、旅客の移動や貨物の段取りが乱れる。漁船が操業域を調整したり、海運が航路を見直したりする場面も出る。市民生活の目に見える負担が増えるほど、台湾の政府には「備える姿勢」と「不安をあおらない発信」を同時に求める圧力も強まりやすい。

米大統領の落ち着きは「沈静化」か、抑止の弱体化か

トランプ氏は同日の会見で、過去にも同種の演習は繰り返され、より大きい規模の例もあったとの認識を示し、当面は注視する姿勢にとどめた。さらに、習氏との関係を強調し、侵攻の決断はしないだろうとも述べた。受け手によっては、米国が危機感を抑え、偶発的な衝突の連鎖を避けようとしているサインにも映る。

ただ、論点は「安心」を優先する言葉が、どこまで「抑止」と両立するかにある。米国は台湾関係法（1979年）を軸に台湾の防衛力を支える一方、米軍が介入するかは意図的に曖昧さを残してきた。今回の演習は米国の対台湾支援への反発とも報じられており、発信が軽く受け取られれば、次の圧力の強度や頻度の判断にも影響しかねない。鍵は、武器支援や同盟国との連携をどう積み上げ、言葉と行動の整合を保つかである。

空と海の「回り道」が増える、台湾は警戒を続行

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