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フィリピンにある中国大使館の公式Xに、高市早苗首相を描いた激しい風刺画が並んだ。紙片の憲法が炎に包まれ、軍服姿の兵士が立ち現れる構図だ。台湾有事をめぐる首相答弁への批判として投稿されたこれらの画像は、大阪の中国総領事による「首を斬る」との暴力的な投稿と相まって、日中間の緊張した空気を一段と際立たせている。
台湾発言をめぐり、中国大使館が風刺漫画
在フィリピンの中国大使館は2025年11月21日までに、平和憲法を燃やす高市首相や、軍旗を背にした兵士を描いた複数の漫画を公式Xに掲載した。説明文では名指しこそ避けつつ、首相が軍国主義をよみがえらせようとしているとの印象を与える内容で、台湾有事への備えを語った最近の国会答弁を強くなじる狙いがうかがえる。
高市首相は11月7日の衆院予算委員会で、中国が台湾周辺で武力行使に踏み切った場合、日本の安全保障関連法が定める「存立危機事態」に当たり得ると述べた。存立危機事態とは、日本の存続が脅かされるほど重大な攻撃が想定される際に、限定的な集団的自衛権の行使を認める枠組みである。この答弁が、中国側には日本が戦争に近づいている兆しとして受け止められている。
大阪総領事の暴力的投稿と日本政府の抗議
それより一足早く、8日深夜には中国の薛剣駐大阪総領事が自身のXに投稿した。高市首相の台湾有事発言を報じる記事を引用し、「その汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない」と書き込んだと報じられている。国家を代表する外交官が、現職首相に対し殺害を連想させる表現を用いたことは、国内外で強い衝撃を呼び、投稿はのちに削除された。
日本政府は9日以降、外務省や在中国日本大使館を通じて中国側に厳重に抗議し、中国の在外公館の長として極めて不適切だと伝えた。関連する投稿の削除と説明も求めている。米国大使がXで懸念を表明するなど、国際社会からも批判が広がった。薛総領事は過去にも選挙への介入と受け取られる投稿で問題視されており、今回の発言はその延長線上にあるとみる声も出ている。
スクリーンの中で飛び交う挑発的な言葉とは対照的に、首相官邸や在外公館の外観は静けさを保っているが、外交の場で選ばれる言葉の重さだけは、以前よりもいっそう際立って見えてくる。
