駐日中国大使館がXで石破茂衆院議員発言を切り出し、外交カード化

駐日中国大使館が石破元首相発言をX投稿 「理解と尊重」だけ切り取り

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駐日中国大使館が11月28日、X(旧ツイッター)の公式アカウントで自民党の石破茂前首相の講演内容を取り上げた。台湾をめぐる中国の主張を、日本の歴代政権が理解し尊重してきたという趣旨の部分だけを切り出し、日中関係が揺れる局面で世界に向けて発信した形である。産経新聞などの報道では、投稿には石破氏の顔写真も添えられていたとされる。政治家の一言は、どこまで外交のカードとして利用されてしまうのか。

切り取られた言葉にざわつく国内世論と「現場」の温度差

大使館の投稿は、日本語と中国語で石破氏の発言要旨を紹介し、瞬く間にSNS上で拡散した。引用されたのは、1972年の日中国交正常化以降、日本は台湾を中国の一部とみなす中国側の立場を理解し尊重してきた、という説明部分だと報じられている。一方で、同じ講演では中国依存のリスクにも触れており、全体としては日中関係を安定させる必要性を説く内容だったと地方局の政治ニュースなどは伝えている。

しかし、受け止めは一様ではない。大使館の投稿を見た国内の一部政治家は「日本の政権の考え方を代弁する映像として利用されている」と懸念を示し、ネット上でも「中国の宣伝材料にされた」といった批判が相次いだ。他方で、食料やレアアース、医薬品など多くの輸入品を中国に頼る現状を踏まえ、「冷静に関係を維持すべきだ」というコメントも少なくない。官邸前では、高市早苗首相の台湾有事発言の撤回を求めるデモが行われ、中国語のプラカードを掲げる参加者の姿もテレビ朝日などが映し出した。

大阪では、中国総領事が高市首相を侮辱する投稿を行った問題を受け、府議会が謝罪を求める非難決議を全会一致で可決している。外交当局者の言動と、元首相の講演発言、そしてそれを切り取る外国公館の情報発信が複雑に絡み合い、現場の有権者には「誰がどこまでを代表して物を言っているのか」が見えにくくなっている。こうした中で、国内向けのつもりで語った一言が、国境を越えてどのように翻訳され、別の意味合いを帯びていくのかが改めて問われている。

「理解し尊重」か「一体の領土」か あいまいさを狙う発信

石破氏は11月26日、東京都内の講演で、日中関係の歴史を振り返りながら、自身も含めた歴代政権は台湾をめぐる中国の主張に細心の注意を払ってきたと説明したと各社が伝えている。日本政府は1972年の共同声明で、中国が台湾を不可分の領土と主張していることを「理解し尊重する」と記したが、日本自身がその主張に同意したとは書いていない。この微妙な表現の違いこそ、長年続いてきた「戦略的あいまいさ」の土台である。

今回、大使館が強調したのは「理解し尊重してきた」という部分だ。そこだけを前面に出すことで、あたかも日本が中国側の台湾観を全面的に支持しているかのような印象も与えかねない。中国網日本語版などの報道では、石破氏が高市首相の台湾関連発言を批判したことや、中国からの輸入に日本経済が広く依存している現状に言及した点が強調されている。国内の与野党内での路線対立を、中国側が「日本の中にも自分たちの主張に近い声がある」と示す材料として使っている構図だ。

一方、ブルームバーグ日本語版の解説は、中国側が近年、こうしたあいまいさに対する許容度を下げ、台湾統一を「譲れない核心利益」として前面に出していると指摘する。日本が同じ表現を繰り返しているつもりでも、中国側の受け止め方や発信の仕方は変化している。元首相クラスの発言ともなれば、外交メッセージとして切り取られることを前提に重ねて言葉を選ぶ必要がある、という現実が浮き彫りになった。

台湾有事をめぐるギャップの中で、日本が選ぶべき線引き

そもそもの火種となったのは、高市首相が国会で「台湾有事は存立危機事態になり得る」と答弁したことだ。これは、事態によっては集団的自衛権の行使が可能になるとの解釈を示したもので、中国側は「越えてはならない一線を越えた」と強く反発している。大阪の中国総領事による過激な投稿は、その対立の激しさを象徴する一例であり、日本側が公式の場で謝罪を求める事態に発展した。

一方で、日本経済は中国市場やサプライチェーンへの依存を簡単には断ち切れない。石破氏が講演で挙げた食料、レアアース、医薬品といった品目は、その象徴だ。安全保障面では米国や台湾との連携を強めざるを得ないが、経済面では中国との協調も維持しなければならないという「二正面作戦」を強いられている。こうした構造的な板挟みの中で、政治家の一言が経済界や自治体の現場に与える影響は無視できない。

台湾有事をどう抑止するか、仮に危機が起きた場合にどこまで関与するかという議論は避けて通れない。その際、日本が中国の主張をどの程度まで「理解し尊重する」と言えるのか、また台湾の現状維持をどう支えるのかという線引きが鍵になるだろう。発言の表現ぶりだけを巡って賛否が先鋭化しがちだが、本来問われているのは、経済と安全保障のリスクを誰がどう負担し、どのようなルールの下で中国と向き合うのかという設計である。

参考・出典

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