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Reutersは2025年12月22日、米国防総省がまとめた年次報告書の草案として、中国がモンゴル国境に近い3つの新たなサイロ群に、核弾頭搭載が可能な固体燃料ICBM「DF-31(東風31)」を100発超配備した可能性があると伝えた。交渉を呼びかけるトランプ米大統領の意向とは裏腹に、草案は中国側に包括的な軍備管理へ踏み出す兆しが乏しいとの見立てを示す。
「配備した」より重い、サイロに“装填”された疑い
草案が示すのは、ミサイル基地の存在だけではない。Reutersによれば、中国は3カ所のサイロ群にDF-31を100発以上配備したとみられる。サイロは、平時からの秘匿と有事の生残性を両立させやすく、抑止の“見せ方”を変える装置でもある。草案は新たに置かれたミサイルの標的を特定していないが、改良型には多弾頭化や米本土の広い範囲を射程に収め得るものがあるという。
ここで効いてくるのは、数字が持つ政治的な圧力だ。国防総省は2024年半ば時点で中国の運用可能な核弾頭が600発を超え、2030年までに1000発を上回ると見積もっている。サイロ配備が積み上がれば、危機時の誤認や先制の疑心暗鬼を招きやすい。The Guardianが紹介したSIPRIの分析でも、中国の核戦力は近年増勢を強めているとされ、周辺国は「増強の速度」そのものに対応を迫られつつある。
交渉の窓はあるのか、残るのは“信頼醸成”か
トランプ米大統領は、中国と核軍縮を含む交渉を進めたい考えを繰り返し示してきた。しかしReutersが見た草案は、中国がより広い軍備管理協議に前向きではないとの結論を置く。Reutersによると、国防総省は草案へのコメントを控え、中国大使館も取材要請に直ちに応じなかった。中国は核の先制不使用(no-first-use)を掲げる一方、米側は実配備の積み上げが対話の空気を冷やすと見ている構図だ。
核軍縮は、条約だけでなく相互の見通しで成り立つ。米露の枠組みが先細る中で、中国が交渉の席に着かないまま増強を続ければ、抑止の計算は複雑になり、危機管理の負担は現場へ降りてくる。Arms Control Associationは、核弾頭数の増加見通しとともに、対話の不在がもたらす不確実性を論点として整理している。問われているのは「誰が勝つか」ではなく、疑心暗鬼が連鎖する局面をどう減らすかだ。
参考・出典
- China likely loaded more than 100 ICBMs in silo fields, Pentagon report says (Reuters, 2025-12-22)
- Senior Defense Official Briefs on 2024 China Military Power Report (U.S. Department of Defense transcript)
- Pentagon Says Chinese Nuclear Arsenal Still Growing | Arms Control Association
- China stockpiling nuclear warheads at fastest rate globally, new research shows | China | The Guardian
- 中国、新たにICBM百基配備か 核弾頭搭載可能、米が報告書草案 | 共同通信 ニュース | 沖縄タイムス+プラス
