中国万科、利払い猶予を可決　資金繰りの綱渡り続く

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2025.12.23

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中国不動産大手China Vanke（万科企業）の社債保有者は2025年12月22日、利払いなどの支払い猶予を2026年1月28日まで延ばす案を可決した。債務不履行は当面回避できる一方、元本返済の1年延期は否決され、資金繰りの綱渡りは続く。

猶予延長が意味する「時間」と、債権者の線引き

対象は、万科が国内で発行した約20億元規模の債券だ。期限までに償還できず、もともとの短い猶予期間に入っていたが、今回は猶予を30営業日へ広げる決定となった。猶予期間とは、満期日に払えなくても直ちに「違約」と扱わない緩衝帯で、万科は交渉に使える時間を得た。

ただし債権者が与えたのは「待つ時間」であって、「返済そのものの先送り」ではない。Reutersなどによると、元本の支払いを12カ月遅らせる案は必要な賛成票に届かず否決された。債権者側は、延命に協力しても、返済計画の確度や担保の手当てが見えないまま条件を緩め続けることには慎重だ。

次の焦点は年末の支払いと、市場の信頼をつなぐ手段

猶予延長は、万科が抱える課題を解決したわけではない。年末に別の債券の償還期日が迫り、他の債務でも条件変更の調整が続いている。支払いの優先順位をどう組み替えるかは、金融機関や投資家だけでなく、工事代金の支払いを待つ取引先や、引き渡しを気にする住宅購入者にも波及し得る。

万科は「優良組」と見られてきた企業で、主要都市での販売・開発の存在感も大きい。それだけに、格付け会社Fitchが同社を「C」へ引き下げたことは、資金の出し手が想定するシナリオを暗くする。大口株主に地方政府系のShenzhen Metro（深セン地下鉄）がいることも支えにはなるが、結局は資産売却、追加支援、債務再編のどれで時間を「結果」に変えるのかが問われる。

猶予延長が意味する「時間」と、債権者の線引き

次の焦点は年末の支払いと、市場の信頼をつなぐ手段

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