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中国の王毅外相は2025年12月12日から16日にかけてUAE、サウジアラビア、ヨルダンを訪れ、台湾問題をめぐり「日本の現職指導者が中国の内政に干渉することに反対する」との立場を各国側に伝えた。歴訪後に中国メディアの取材に応じ、中国外務省サイトは17日、その内容を公表した。中東での経済外交の陰で、対日メッセージの拡散も同時に進めた形だ。
中東で繰り返した「対日反発」の言い方
中国外務省が掲載したインタビューでは、王氏が三国に台湾問題の「歴史的事実と法理」を説明したうえで、日本の現職指導者の発言を「内政干渉」と位置づけ、断固反対する姿勢を示したとされる。日本側の発言内容をめぐっては、Reutersが12月16日、日本の高市早苗首相の台湾を想定した発言を中国側が撤回要求の対象にしていると報じ、火種が外交日程のたびに持ち出されている構図が見える。
「1つの中国」支持を並べる狙い
中国外務省の同インタビューでは、三国が「1つの中国」の原則を再確認し、中国の主権と領土保全、国家統一の実現を支持したとも記された。「1つの中国」は、台湾は中国の一部だとする中国の立場の根幹である。日本との応酬を二国間の衝突に閉じず、第三国の同意を積み上げることで「国際的に当然の原則」という絵を強めたい思惑がにじむ。テレビ朝日も17日、王氏が三国で日本批判を展開したと伝えた。
経済外交と安全保障の言葉が混ざるとき
今回の訪問は、エネルギーや投資など実利の交渉も主軸だった。Reutersは12月13日、王氏がUAEで石油、ガス分野を含む協力深化を呼びかけたと報じている。こうした場で台湾問題を強い言葉で結び付ければ、日本にとっては中東・グローバルサウスの舞台でも「政治問題として持ち込まれる」リスクが増える。対立の言葉が連鎖するほど、事務レベルの協力領域まで冷え込む懸念が残る。
