中国が上位5カ国圏外に　ドイツの対中輸出、2025年に10%減見通し

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2025.12.15

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ドイツ貿易投資振興機関（GTAI）は2025年12月15日、2025年の対中輸出が前年比10%減の810億ユーロに縮む見通しを示した。Reutersは、中国が2010年以来初めてドイツの輸出先上位5カ国から外れ、順位は7位になると伝えた。

順位低下が示す、中国市場の「質」の変化

GTAIの見通しでは、中国は英国とイタリアに抜かれる。数字以上に重いのは、売り先としての中国が「伸びる市場」から「選別が要る市場」へ変わったというサインだ。Reutersは背景として、中国側の需要減速に加え、ドイツ企業が中国国内での現地生産を増やした点を挙げた。

輸出に占める中国向け比率も下がっている。Reutersによると、2021年の7.5%から2025年は5.2%へ縮小する見込みだ。月次統計でも傾向は見える。ドイツ連邦統計局（Destatis）は、2025年1月から9月の対中輸出が前年同期比で減少したと発表している。

縮む黒字と広がる赤字、手当てが難しいのは輸入側

輸出全体は大崩れしていない一方で、稼ぎ方は細る。Reutersは、2025年のドイツ輸出が0.6%増の1.6兆ユーロと小幅増を見込む一方、輸入は4.4%増の1.4兆ユーロに伸び、貿易黒字は1954億ユーロまで縮むと報じた。米国向けも減少し、外需の柱が揺らぐ形だ。

対中関係では、輸出減より輸入増のほうが痛い。Reutersは、2025年の対中貿易赤字が870億ユーロと過去最大になり得ると伝えた。Destatisも、年初来で中国からの輸入が増勢にあることを示している。GTAIは2025年1月の発表で、2024年に米国が中国を上回り最大の貿易相手国になったとしており、供給網の組み替えが成否を分ける局面に入った。

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