装備更新が一気に動く　ドイツ連邦議会、防衛調達500億ユーロ超

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2025.12.18

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ドイツ連邦議会の予算委員会は12月17日、今後数年間で合計500億ユーロ超の防衛調達契約を承認した。対象は制服などの個人装備から戦闘車両、無人機、衛星まで幅広い。ロシアのウクライナ侵攻が続く中で、政治の「増やす」という決断が、部隊の装備更新という具体の作業へ一気に落ちてきた。

目立たない支出ほど、即応の土台になる

今回のパッケージで象徴的なのは、派手な兵器だけではなく、兵士の被服や個人装備に大きな枠が割かれている点だ。報道ベースでは約210億ユーロが、最大460,000人の兵士と80,000人の文民職員に向けた装備品に充てられる。実戦での強さ以前に、訓練や展開を回す「普通の不足」を埋める意味合いが濃い。

一方で、承認はゴールではない。ドイツでは一定額以上の防衛調達が予算委員会の同意を要し、議会の関門を通った段階でようやく発注と執行が動き出す。最大規模の決裁が出たことで政治的な後ろ盾は強まるが、納期や生産能力、運用に載せるための教育訓練まで含めて、時間との競争が始まる。

抑止を支える装備は、前線の運用まで届くか

契約の中には、地上戦力の更新や防空強化、監視能力の拡充が並ぶ。報道によれば、プーマ歩兵戦闘車の追加、パトリオットやIRIS-T SLMといった地上配備の防空システム、海中監視に使う無人機MQ-9B シーガーディアン、さらに衛星監視の整備などが含まれた。NATO東側での警戒監視や部隊展開を、装備面で下支えする狙いが透ける。

ピストリウス国防相は、今回の決定で政府と議会が野心的な防衛目標に向けて進めると述べた。とはいえ、支出の大枠が固まるほど、次は「何を優先し、どこまで急ぐか」が問われる。調達のスピードと現場の吸収力がかみ合うかどうかが、数字以上に同盟国の評価を左右しそうだ。