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2025年10月6日、金相場は1オンス=3900ドルを初めて上抜き、過去最高を更新した。米連邦政府機関の一部閉鎖が続くなか、安全資産への選好が強まり、FRBの利下げ再開も追い風となった。力強い上昇相場は、秋のアジア市場でも勢いを保っている。
3900ドルの壁を破った朝
アジア序盤の市場で、金スポットは節目の3900ドル台に伸び、3910ドル近辺まで一気に駆け上がった。その後も高値圏を保ち、史上未踏の価格帯での値固めが進んだとみられる。店頭でも先物でも利食いと追随買いが交錯し、板の厚みが増した。
年初来の騰勢はほぼ5割高に達する。24年の上昇に続く二年連続の大幅高であり、過去の強気局面と比べても角度のあるトレンドが際立つ。中央銀行の買い戻しやETF残高の増加、個人の分散需要が重なり、押し目は素早く吸収されている。
他の貴金属も連れ高となった。銀やプラチナ、パラジウムにまで資金が波及し、セクター全体が一段と厚みを増す展開である。一方でドルは底堅いが、実質金利の低下が金の機会費用を薄め、価格上昇を後押ししていると映る。
長引く米政府閉鎖という不安
米国では2025年10月1日に予算が失効し、連邦政府は一部閉鎖に入った。6日現在も再開の糸口は見えず、議会と政権の対立が続く。政府サービスの一部停止や職員の一時帰休が広がるとの懸念が、市場の神経を逆なでし、安全資産への資金移動を促した格好だ。
議員事務所や当局のガイダンスは、社会保障などの基本的な支払いは継続する一方、新規手続きや審査に遅延が生じる可能性を示している。文化施設や研究機関の休止も相次ぎ、航空の安全関連業務にも影響が波及し、日常への影がじわり広がっている。
誰に有利なのか。政権と議会の駆け引きは内政の範疇に見えるが、世界のリスク資産には即座に波及する。米国発の政策不確実性は金にとって典型的な追い風であり、投資家のポジション選好を変えるほどの力があると映る。
利下げ局面が背中を押す
金融面では、米金融当局が9月に政策金利を一段引き下げ、4.00〜4.25%のレンジに移行したことが大きい。24年末の連続利下げに続き、25年は据え置きを経て緩和方向への再開を示唆した。金利低下は保有コストを軽くし、金の相対的な魅力を押し上げる。
市場は今後のインフレと成長の鈍化を見極めながら、追加調整の有無を慎重に織り込む段階に入った。中央銀行の買いとETFの資金流入が続く限り、下押し局面では押し目拾いの需要が厚いとの声が多い。短期の振れは避けられないが、基調はなお上向きだ。
もっとも、過去最高の更新は期待と不安の表裏でもある。長期金利の急反発やドル高の再加速、地政学の急変は、たやすく調整を招きうる。相場の主役はいつも不確実性である。安全資産の象徴が買われるほど、世界のリスクの在り処もまた鮮明になる。