イスラエル軍、ガザでハマス幹部殺害　停戦下でも攻撃継続

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2025.12.15

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2025年12月13日、イスラエル軍はガザ地区での攻撃で、イスラム組織ハマス軍事部門の兵器製造を担う幹部ラアド・サアド氏を殺害したと発表した。同日、ガザ市南西部テルアルハワ地区では死者が出たとされ、停戦下でも「点」の攻撃が住民の安全感と交渉の前提を揺らしている。

停戦下のテルアルハワ、局地的な一撃が生む不確実さ

ガザ側の民間防衛当局と医療関係者は、ガザ市南西部テルアルハワでの攻撃で5人が死亡したと伝えた。一方、英国紙The Guardianなどは、現地保健当局の情報として死者4人、負傷者25人以上とも報じており、攻撃直後の混乱のなかで被害像は揺れている。

イスラエル軍はAFPに対し、この地域での攻撃は1回で、標的はサアド氏だったと説明した。Reutersによれば、攻撃は車両を狙ったもので、イスラエル側は「停戦違反」に当たるハマスの再武装の動きを問題視している。停戦が続いていても、住民の日常は「いつ、どこが戦場に戻るのか」という不確実さを抱えたままだ。

「兵器製造」の中枢を狙う意味、交渉は何を問われるか

イスラエル軍と治安機関はサアド氏を、ハマスの兵器生産を統括する立場で、2023年10月7日の越境攻撃の計画にも関わった人物だと位置づけた。AP通信は、ハマス側が12月14日にサアド氏の死亡を認めたと伝えている。ただ、ハマスは攻撃対象が民間車両だったとの主張も示し、停戦の解釈をめぐる溝は埋まっていない。

Reutersによると、ハマスの交渉担当幹部は今回の殺害が停戦を脅かすと反発した。米国仲介で2025年10月10日に停戦が発効した後も、境界線周辺での衝突や限定的な攻撃が続いてきたとされる。大規模戦闘を避けつつ相手の軍事再建を止めたいイスラエルと、統治や武装、撤退条件をめぐって譲れないハマス。停戦を「止戦」に近づけるには、誰が何を違反とみなすのか、その運用の設計が改めて問われている。

停戦下のテルアルハワ、局地的な一撃が生む不確実さ

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