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ホルムズ海峡周辺の商船保護を巡り、4月の国連安全保障理事会議長国を務めるバーレーンが、航行確保のため「あらゆる必要な手段」を認める新たな決議の採択を目指している。だが、4月1日に配布した修正案にも中国、ロシア、フランスが異議を示し、交渉はなお継続中だ。争点は、海上安全を守る必要性そのものではなく、安保理が武力行使を含み得る権限をどこまで事前に書き込むかに絞られている。
バーレーン修正案 第7章削除後も強い権限文言を維持
バーレーンのジャマル・アルロワイエ大使は4月1日、安保理の月間作業計画を説明し、その中でホルムズ海峡、ペルシャ湾、オマーン湾周辺の商船保護を巡る決議案の調整が続いていることを示した。バーレーンは3月下旬の段階で、各国または多国籍の海軍の連携に対し、この海域で「あらゆる必要な手段」を用いることを認める案を各理事国に提示していた。
4月1日に配布された修正案では、当初案にあった国連憲章第7章への明示的な言及が削除されたと報じられている。支持を広げるための修正とみられるが、航行を確保するための強い文言自体は残ったため、実質的にどこまで執行権限を与えるのかという問題は解消していない。
実際に修正案に対しては、中国、ロシア、フランスがなお問題を提起し、バーレーン側も「多くの作業」が必要だと説明した。反対がロシア、中国だけでなくフランスにも及んだことで、安保理内では安全確保の必要性ではなく、その手段の設計を巡る溝が表面化した格好だ。
湾岸諸国の要請の背景 既存の国連対応より一段踏み込むか
バーレーンの提案の背後には、湾岸協力会議諸国の意向がある。バーレーンは3月2日付の書簡で、GCCの声明を安保理に送付しており、今回の動きも地域の懸念を国連の場に持ち込む流れの延長線上にある。ホルムズ海峡は世界の原油やガス輸送を支える要衝で、周辺海域で通航妨害が起きれば、エネルギー供給と国際物流への影響は避けにくい。
もっとも、国連の対応は今回が初めてではない。安保理はすでに2026年、ホルムズ海峡周辺の海上安全保障の混乱に関する決議2817を採択しており、国連事務総長報道官も3月27日に、物流上の支障に対応する新たな国連メカニズムに言及している。新決議案が注目を集めているのは、既存の対応を補うだけでなく、実力行使を伴う措置まで安保理として認めるのかが問われているためだ。
今後の焦点は、バーレーンが文言をさらに絞って妥協点を探るのか、それとも強い権限をにじませたまま採決に進むのかにある。商船の安全確保ではおおむね異論がなくても、武力行使をどこまで事前承認するかでは理事国の隔たりがなお大きく、採決の時期を含め見通しは不透明なままだ。
参考・出典
- Bahrain's UN proposal calling for 'all necessary means' to open Strait of Hormuz faces opposition
- Letter dated 2 March 2026 from the Permanent Representative of Bahrain to the United Nations addressed to the President of the Security Council
- United Nations — Resolution 2817 (2026) (PDF)
- Noon briefing of 27 March 2026
- Noon briefing of 31 March 2026
