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東京の迎賓館で外務・防衛閣僚が向き合い、日本とインドネシアの政府が東・南シナ海の情勢を前に静かに言葉を交わした。2025年11月17日に開かれた協議では、威圧的な行動を強める中国を念頭に国際法を守ることの重要性を改めて確認し、海洋安全保障での協力を広げていく方針が共有された。この動きは、日本が掲げるインド太平洋地域の自由で開かれた秩序づくりという構想を現実の連携へとつなぐ一歩でもある。
日インドネシアが東・南シナ海の安定へ連携を確認
会合の舞台となったのは東京・港区の飯倉公館だ。日本から茂木敏充外相と小泉進次郎防衛相、インドネシアからスギオノ外相とシャフリィ国防相が参加した。外務・防衛のトップがそろう、いわゆる「2プラス2」と呼ばれる枠組みで、2015年と2021年に続き3回目の開催となった。
協議ではまず、東シナ海と南シナ海で続く一方的な現状変更の試みに対する懸念が共有された。特に中国による海警船や軍艦の活動が周辺国との緊張を生んでいるとして、国連海洋法条約などの国際法に基づき航行や飛行の自由を守ることが、地域の安定に不可欠だと確認された。
そのうえで両国は、海上での監視や情報共有、周辺海域での共同訓練といった海洋安全保障の協力を広げていくことで一致した。多数の島々を抱える海洋国家同士として、シーレーンの安全や違法操業の抑止など実務面で連携できる余地は大きいとされ、今後の具体化に期待がにじんだ。
防衛装備品支援と人材交流がつくる新たな絆
今回の合意の柱の一つが、防衛装備品や関連機材の協力だ。日本は政府安全保障能力強化支援(OSA)という枠組みを通じて、同志国の軍や沿岸警備機関にレーダーや警備艇などを無償で供与できる。インドネシア向けにもこの仕組みを活用し、監視能力の向上や救難活動の強化につなげていくことが確認された。
あわせて、防衛当局同士の人的交流や共同訓練の拡充も打ち出された。現場に立つ隊員同士が顔を合わせ、相手国の手順や文化を知っておくことは、緊急時の連携を滑らかにする土台になる。将来的に軍事情報を扱う際の保護ルールについて議論を進めることで一致したことも、信頼関係を一段深める布石といえる。
日本とインドネシアの閣僚協議は、安全保障協力の枠組みづくりを少しずつ積み上げてきたが、中国の海洋進出が続くなかで、その重みは以前より増している。東南アジアで中心的な役割を担うインドネシアと、日本が掲げる「自由で開かれたインド太平洋」という構想を共有しつつ、互いのバランス感覚を尊重しながら協力を選び取っていく姿は、変化の大きい地域で安定を模索する一つの姿を静かに示したといえる。