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小泉進次郎防衛相は12日、中国軍機による航空自衛隊機へのレーダー照射や、中国とロシアの爆撃機による日本周辺での共同飛行を受け、ヘグセス米国防長官と電話協議した。両者は、これらの行為が地域の緊張を一段と高めると深刻な懸念を共有し、日米で緊密に意思疎通しながら対応を進めることで一致した。防衛当局が連携を強める一方、トランプ米大統領は日中双方との関係両立を掲げ、正面衝突を避けようとする構えも見せている。
自衛隊パイロットの上空で続く「見えない圧力」
中国軍機によるレーダー照射は、相手を攻撃可能な状態まで捕捉したことを示すとされ、現場では「実戦に近い状況」と受け止められる。防衛省は、沖縄周辺の国際空域で航空自衛隊機がおよそ30分にわたり照射を受けたと説明し、安全な飛行に必要な範囲を超える危険な行為だと中国側に抗議した。長時間に及ぶ緊張のなかで任務を続けたパイロットや整備員の心理的負担は、小さくない。
同じ空域では、中国とロシアの爆撃機が日本列島の周りを長距離で共同飛行し、防衛省は航空自衛隊機の緊急発進を繰り返している。日本海や沖縄本島と宮古島の間を通過する編隊飛行は、周辺国にとっては軍事力の誇示に映り、韓国や台湾も警戒を強める。小さな誤認や操作ミスが衝突や墜落につながりかねない状況で、各国の現場部隊は常に緊張を強いられている。
日米が固める連携と、ホワイトハウスの距離感
こうした事態を受け、小泉氏とヘグセス長官は電話会談で「地域で緊張を高める行為だ」との認識を確認し、日米同盟として抑止力と対処力を示す必要があるとの考えを共有したとされる。米軍爆撃機と自衛隊戦闘機による共同訓練が相次ぐのも、その一環だ。日本側は、レーダー照射や共同飛行の意図を分析しながら、米側と情報や評価を細かく突き合わせることで、誤算を避けたい思惑がある。
一方で、トランプ大統領は中国との通商交渉や首脳対話の継続も重視しており、日本との安全保障協力を維持しつつ、北京との関係悪化を避けようとする姿勢をにじませる。米国の政治トップが対立から距離を取ろうとする分、現場の防衛当局どうしで危機管理の枠組みを固めておくことが、日米双方にとっていっそう重要になっている。緊張が常態化するなかで、市民の生活を守る仕組みをどう維持するのかが、今後の大きな問いだ。
参考・出典
- Japan Ministry of Defense Statement on the Radar Incident against Japan Air Self-Defense Force Aircraft by Chinese Military Aircraft on Dec. 6th
- Japan Protests After Chinese J-15 Figthers Lock Radar on JASDF Jets Near Okinawa – Naval News
- Chinese and Russian bombers hold joint drill near Japan in ‘show of force'
- US and Japan hold joint flight drills as China ups military activity near Japan
- US bombers join Japanese jets in show of force after China-Russia drills, Tokyo says
