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国際協力機構(JICA)の役割をめぐり、国会で議論が熱を帯びた。11月28日の衆院外務委員会で立憲民主党の亀井亜紀子議員が、JICAが本来の対外援助機関から、外国人労働者の受け入れと多文化共生を進める組織へと性格を変えつつあるのではないかと政府にただしたためだ。産経新聞などによれば、茂木敏充外相はこうした見方を退けたが、JICAは海外支援と国内の多文化共生のどこまでを担うべきなのかという問いは残る。
地方と外国人住民のあいだで揺れる「JICA像」
地方都市の駅前を歩くと、JICAの研修を通じて来日した人たちが通う日本語教室や、ハラル対応の食材を置く小さな店が目に入る。こうした地域では、開発途上国との技術協力だけでなく、地域社会で外国人住民と共に暮らすための支援もJICAが担ってきた。JICA関西が教員や学生向けに多文化共生のための国際理解教育セミナーを開いているのも、その一例だ。
その一方で、JICAの役割がどこまで広がるべきかには懸念もある。亀井氏は委員会で、JICAはもともと開発途上国への国際協力を行う機関として整備されたのに、近年は日本側の人手不足や労働力確保と結びついた外国人受け入れの入り口になりつつあるのではないかと問題を提起した。海外支援と国内の労働市場政策が同じ器に乗ってしまえば、誰のための支援なのかが見えにくくなるという指摘だ。
現場の自治体にとっては、JICAとの交流は人材確保や国際化の貴重な機会でもある。だからこそ、JICAが外国人住民の生活支援まで主導するのか、それとも役割を限定し他の行政機関と分担するのかという線引きが曖昧なままだと、支援を受ける側も提供する側も長期的な設計を描きにくい。今回の国会論戦は、地方の生活と直結するこのグレーゾーンを浮かび上がらせたと言える。
外務省が描くJICAの位置づけと対中競争の影
議論のきっかけとなったのは、アフリカ4カ国との人的交流を掲げた「ホームタウン構想」だ。移民受け入れを促す取り組みではないかとの批判を受け、この構想は見直しを迫られてきた。亀井氏は、構想の撤回なのか、一部を改めて続けるのかを外務省にただし、茂木外相は委員会で、構想そのものを取りやめたとの認識を示したと産経新聞などは伝えている。
さらに亀井氏は、この構想の相手国として選ばれていたタンザニア、ナイジェリア、ガーナ、モザンビークの4カ国がいずれも中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に参加しており、中国からの過剰な借り入れによる「債務のわな」が指摘されている国だと説明した。日本の事業が、対中牽制の色彩を帯びた人材獲得競争の一部になっていないかという疑念がにじむ。
これに対し茂木外相は、JICAが外国人労働者受け入れを進める機関へと変質しているとの見方は当たらないとし、あくまで開発協力と国際交流を通じて日本と相手国双方の発展に資する役割を担っていると説明した。海外援助機関としての位置づけを強調する一方で、実際には日本社会の多文化共生と人材戦略の議論と切り離せない事業を担っているというねじれが、議場で改めて露わになった形だ。
援助機関はどこまで多文化共生を担うのか
日本で外国人住民の受け入れや生活支援を担うのは、本来は出入国在留管理庁や厚生労働省、自治体、NPOなど複数の主体だ。そこにJICAの事業が加わることで、現場には新たな専門性や国際ネットワークがもたらされる一方、責任の所在や政策目的はかえって見通しにくくなり得る。どの費目が途上国支援で、どこからが国内の労働政策なのかという線引きも、今後はより精緻な説明が求められるだろう。
諸外国では、ドイツのGIZや米国のUSAIDなど、対外援助機関は原則として自国の移民政策とは別枠で運営されることが多い。移民の受け入れや統合を担当するのは内務省や専門庁であり、援助機関は教育や保健、水インフラなど相手国の開発課題に集中するのが一般的だ。海外での職業訓練と国内の労働力確保を結びつける事業もあるが、それが組織全体の使命になることは少ない。
JICAが今後どこまで日本国内の多文化共生に踏み込むのか、あるいは従来どおり対外援助を主軸に据えるのかは、政府と国会が明確に方向性を示すべき課題だ。亀井氏の質問は、一つの構想の是非を超えて、援助と移民政策を誰がどのような責任で担うのかという根本的な問いを突き付けている。JICAの役割をめぐる今回の論戦は、日本社会が多様な人々とどう共に生きるかを考える出発点にもなり得る。
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