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艦の甲板でスマートフォンを構える小泉進次郎防衛相の映像が、連日のようにSNSに投稿されている。就任から1か月あまり、視察の合間に自ら短い動画や写真を発信し、日本周辺で続く他国軍の動きや自衛隊の対応を分かりやすく伝えようとしている。経験不足を懸念する声もあったが、その動きは新しい防衛相像を静かに印象づけている。
現場を歩き、画面越しに伝える防衛相
最初の大きな訪問先に選んだのは南西防衛の最前線だ。小泉氏は就任後初めて沖縄を訪れ、宮古島や石垣島の部隊で隊員から直接説明を受けた。演習場の土煙が残る中で、どのような事態でも国民の命と暮らし、そして領土や空と海を守り抜く決意が一段と強まったと語り、その様子もすぐに動画で共有された。
環境相や農林水産相を歴任し、衆院安全保障委員長も務めた経歴を持つが、防衛行政は初担当だ。だからこそ、小泉氏は司令部や基地を精力的に回り、現場の声を政策に生かす姿勢を前面に出す。海上自衛隊横須賀基地では最新の「もがみ」型護衛艦に乗り込み、装備輸出のトップセールスに乗り出す構想を語った。米国のヘグセス国防長官には地元名物のスカジャンを贈り、個人的な信頼関係づくりにも力を注ぐ。
総裁選敗北を経て向き合う安全保障戦略
10月の自民党総裁選では決選投票まで進みながら、高市早苗首相に競り負けた。討論では慎重さを優先し、手元資料を読み上げる場面が目立ったため、持ち味とされてきた発信力がかえって影を潜めたとの評価も残った。その経験の反動か、いまの小泉氏は防衛相として、自分の言葉で安全保障を語ることに一層こだわっている。
目の前にある最大の課題は、安全保障関連3文書の見直しだ。2022年12月に策定された国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画は、日本の防衛力を抜本的に強化し、5年間で約43兆円を投じる方針を示した。政府は、戦後で最も厳しいとされる安全保障環境を踏まえ、反撃能力やスタンドオフ防衛などの整備を急いでいる。改定作業では、その延長線上で何を維持し、どこを改めるのかという重い判断が求められる。
防衛費と装備移転、国民にどう語るか
防衛費は国内総生産(GDP)比2%程度を目指す方針の下で拡大が続き、財源を税や国債にどこまで頼るのかが議論になっている。物価高が長引く中で、暮らしへの負担感を抑えながら防衛力を強化する道筋を示せるかどうかは、防衛相だけでなく政権全体の信頼にも直結する。国会では将来世代へのツケ回しだとの批判も出ており、小泉氏にはわかりやすい言葉での説明が求められる。
装備品の海外移転を巡るルールも、世論の分かれ目になりつつある。政府は防衛装備移転三原則の運用を見直し、救難や輸送、警戒、監視、掃海という5類型であれば、自衛隊法上の武器を搭載した艦艇や航空機の移転も可能だと整理した。ライセンス生産品の完成品輸出や、国際共同開発の戦闘機を第三国へ売却し得る仕組みも整えつつあり、平和国家としての姿勢との折り合いをどう付けるのか、丁寧な説明が欠かせない。
一方で、台湾有事に触れた首相発言に中国が強く反発し、日本周辺で軍事的圧力が強まる可能性も指摘される。南西の海空で自衛隊が慎重な抑止行動を続ける中、東京の会見場で言葉を選ぶ防衛相の姿は、画面越しにしか見えない遠い出来事でもある。日々更新される短い動画が、いつか国民一人ひとりの実感と静かに重なっていくのかどうか、その行方を見守る時間が続きそうだ。
