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国会内の廊下に足音が重なる。自民党と日本維新の会の政策協議は、2025年10月17日、連立政権の是非を左右する最終盤へと入った。政治改革や社会保障、エネルギーでの一致点を押さえつつ、食料品の消費税率0%や企業・団体献金の廃止など難所が残る。21日に控える首相指名選挙と新体制の船出を見据え、合意の輪郭をどこまで描けるかが問われている。
迫る首相指名と交渉の行方
与野党の駆け引きが加速する中、政府・与党は臨時国会を2025年10月21日に召集し、同日に首相指名選挙を行う段取りを各党に伝えてきたとされる。会期冒頭の指名選は、政権の枠組みを確定させる号砲であり、協議の残された時間は多くないと映る。自民側が主導権を保つには、会期までに必要な票の見通しを固めることが不可欠である。
自民党は、高市早苗総裁の下で野党各党との対話を広げてきた。15日には維新の吉村洋文代表と国会内で会談し、首班指名への協力と連立を含む協力関係を要請した経緯がある。続く16日には、鈴木俊一幹事長や小林鷹之政調会長が同席し、維新の藤田文武共同代表らと政策協議に臨んだ。協議は制度設計に踏み込む段階へ差し掛かったとみられる。
維新側は「公約の実行を最優先する」との姿勢を前面に出し、政策実現の担保が連立判断の軸になる構図だ。17日以降の詰めで合意の骨子が固まれば、首相指名選での対応にも直結する。逆に、主要論点が残れば自主投票や対立候補の擁立といった選択肢もにわかに浮上する。交渉の一挙手一投足が票読みを左右する局面である。
食料品0%は実現するか
物価高の影響が長引く中、維新が掲げる「食料品の消費税率0%」は象徴的な争点だ。現行の軽減税率を抜本的に広げる提案は家計支援の即効薬として注目を集める一方、財源や制度設計の難易度が高い。税収の落ち込みに対してどの財政措置で補うのか、対象品目や線引きの公平性はどう担保するのかなど、実務的なハードルは小さくないとみられる。
16日の協議では、エネルギーや安全保障で一致点が見られた一方、企業・団体献金の廃止とともに食料品0%は折り合わなかったと伝えられている。短期間で制度変更を行うには法改正や税制改正大綱の取り扱い、自治体・事業者の準備期間の確保などが連鎖的に必要になる。合意の落としどころとして、段階的導入や時限措置の選択肢も浮かぶ。
与党側は、家計支援の規模と持続性を国債発行や歳出見直しとどう均衡させるかが鍵となる。単年度の減税にとどめるのか、社会保障給付や低所得層向け給付と組み合わせるのかで政策効果は変わる。選挙後を見据えた予算編成の全体像と結び付けて示せるかが、与野党の説得力を左右するといえる。
問われる政治改革の本気度
政治改革も合意の難所である。維新は企業・団体献金の禁止など透明性の強化を前面に掲げ、与野党の違いが鮮明になっている。企業・団体献金は政治資金規正法の改正を要し、政党交付金や個人献金の位置づけ見直しも不可避だ。政治資金の流れをどう可視化するか、寄付文化をどう育てるかという長年の課題が再び突き付けられている。
議員定数のあり方も、制度全体の公平性と民意の反映度が問われる論点だ。小選挙区と比例代表のバランス、地方と都市部の人口動態の差をどう補うかは、選挙制度の根幹に関わる。拙速な数合わせではなく、第三者的な検証や有権者の納得感を得るプロセスが不可欠である。維新が強調する「身を切る改革」をどこまで制度化できるかが焦点となる。
一方で、両党は憲法・安全保障やエネルギーの分野で一定の接点を確認している。政策の一致点で信頼を積み上げつつ、相違点で柔軟な選択肢を設計できるか。高市総裁が交渉の舵を握り、藤田共同代表が具体論を詰める構図の下、連立の是非は最後まで流動的だ。21日の本会議場に向かう視線の先に、妥協と決断の線引きが見えてくる。