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液化水素(LH2)を「商用規模」で海上輸送する前提条件が、造船契約という形で一段進んだ。川崎重工業と日本水素エネルギー(JSE)は、世界最大級となる4万m³型の液化水素運搬船を坂出工場(香川県坂出市)で建造し、2030年内の引き渡しを目指す。契約金額は非公表である。
4万m³級の新造船は「実証の主役」——基金事業の工程を船で前倒しする
骨格は、合計4万m³の液化水素用カーゴタンクを搭載する点にある。ロイターによると、同船はJSEが事業主体として進めるNEDOのグリーンイノベーション基金の枠組みで、基地—船間の荷役(積み降ろし)実証や、外洋条件を想定した試験に用いる計画だという。つまり、船そのものが輸送ビジネスの「完成形」ではなく、国際水素サプライチェーンの成立条件を検証するための装置として位置付けられている。
インプレスのSmartGridフォーラムも、2030年度(2026年時点の日本の会計年度定義では2031年3月期末まで)までに同船を活用した実証を行うと整理している。水素は脱炭素の切り札とされる一方、輸送・貯蔵でのコストと損失がボトルネックになりやすく、実証工程の確度がそのまま普及時期を左右しやすい構図だ。
BOG低減が採算性の核心——極低温貨物を「減らさず運ぶ」設計へ
技術面の焦点は、外部からの侵入熱で蒸発して生じるボイルオフガス(BOG)をいかに抑えるかにある。pv magazineなどによれば、新船は高性能断熱システムを採用してBOG発生を低減し、極低温(約マイナス253℃)の液化水素を大量輸送する前提を整えるとしている。つまり、積み荷の目減りと処理負担を抑える設計思想が、商用化の採算ラインに直結する。
事業の時間軸も明確だ。ロイターは、川崎重工が世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」(1,250m³)を2021年に建造し、日豪間の実証に関与した経緯を挙げる。さらにNEDOは2025年11月、川崎市扇島の「川崎LH2ターミナル」起工式に触れ、貯蔵容量5万m³級タンクなどを備える受入基地整備が進むと説明している。海上(船)と陸上(基地)を同時に立ち上げる設計で、2030年代の需要増を見据えた一体整備が加速する可能性がある。
