マスク氏、ウクライナ軍の衛星通信制限を指示か WSJ報道、米政府との説明に食い違い

マスク氏、ウクライナ軍の衛星通信制限を指示か WSJ報道、米政府との説明に食い違い

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ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は2026年10月20日(米国時間)、マスク氏が前週、ウクライナ軍が使用する衛星通信サービスの利用制限を指示したと報じた。米当局者らの話に基づくもので、高速移動中の端末が通信を維持できる速度の上限に関係する。制限を誰が決定し、実施したのかについて、報道と当事者の説明は一致していない。

時速160キロ超で接続切断、ドローン運用に影響

APによると、対象となったのはSpaceXが提供する軍用衛星通信サービス「スターシールド」で、端末が時速160キロを超えて移動すると通信が切れる仕組みだった。データ転送速度ではなく、端末の移動速度に対する制限であり、ウクライナ軍の攻撃用・迎撃用ドローンの運用に支障が生じた。

スターシールドは、商用サービス「スターリンク」の技術基盤を利用した政府・安全保障用途向けのサービスだ。今回の制限は、衛星通信網全体が停止したことを意味しない。

ウクライナの防衛技術顧問ベスクレストノフ氏はAPに、スターシールドはロシア領内では使用されず、同国内の製油所を攻撃するドローンにも提供されていないと説明した。

マスク氏の指示報道、米政府の説明と食い違い

WSJは米当局者らの証言に基づき、マスク氏が制限を指示したと伝えた。CBS Newsも20日、マスク氏の判断が制限につながったと独自に報道したが、具体的な実行経路は不明としている。

一方、マスク氏は14日、Xでスターシールドの速度や利用に関する制限は米軍、最終的には米大統領が決めると主張した。

ロイターは15日、制限命令がホワイトハウス内部から出たと米当局者らの話として報じた。トランプ氏は自身の関与を否定し、マスク氏によるものとも思わないと述べている。

ヘグセス米国防長官も20日、米政府はウクライナの接続能力を縮小しておらず、変更の指示も出していないと説明。サービスの利用条件については、提供事業者が判断する余地に言及した。

速度制限が残るなか、復旧を協議

一時的な通信障害は改善したが、移動速度の制限は別問題として残った。ウクライナ大統領府は19日、制限が前線への物資輸送やドローンによる迎撃などに影響していると発表した。

ゼレンスキー大統領は20日、ルビオ米国務長官とスターリンクおよびスターシールドの復旧について協議したと明らかにした。全面的な制限解除は確認されておらず、指示主体と復旧状況の両面で不透明さが残っている。

参考・出典

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