本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。[続きを表示]ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。[私たちの取り組み]
フィリピンのギルベルト・テオドロ国防相は12月16日、中国海警局が南シナ海でフィリピン人漁師にとった行為を「危険」「非人道的」だとして強く非難した。フィリピン沿岸警備隊は、12日にサビナ礁付近で放水砲が使われ、漁師3人が負傷し漁船2隻が損傷したとしている。外務省が中国側に外交抗議を行ったとロイター通信は伝えた。
漁に出た人が前線に立つ、サビナ礁付近の「危うさ」
フィリピン沿岸警備隊によると、約20隻のフィリピン漁船が操業していた海域で、中国海警局の船が高圧の放水で接近を阻み、船体に損傷が出た。さらに小型艇がいかり綱を切ったとされ、強い潮流の中で船の制御が難しくなる場面もあった。放水砲は、ひとことで言うと高圧水で相手を押し返す装備だ。
問題の中心にいるのは軍艦ではなく、日々の漁で生計を立てる小型船の乗組員だ。高圧水が甲板を叩けば転倒や骨折にもつながり得て、安全面の直接影響が大きい。船が壊れれば修理費や休漁の負担が重なるため、現場では「次は出られるのか」という不安が残りやすい。海の境界をめぐる対立が、生活の時間割に食い込む形になっている。
抗議と「法執行」の言い分、残る選択肢は何か
テオドロ国防相は、民間人の生命を守る国際的な義務に反するといった趣旨で中国側を批判し、漁師側が「攻撃的だった」とする中国の主張も退けた。中国側は、サビナ礁を中国名で「シエンビン礁」と呼び、主権を守るための措置だったと説明している。排他的経済水域(EEZ)は沿岸国が漁業など資源利用の権利を持つ範囲で、主張の食い違いが衝突の火種になる。
今後の分岐は単純ではない。外交抗議を積み重ね、国際法の枠組みで圧力をかける道がある一方、現場の不安を抑えるため監視や同行支援を厚くする選択肢もある。どちらに傾いても、接触が増えれば偶発的な事故のリスクは上がる。操業が萎縮し供給が細る局面になれば、沿岸の魚価や家計に間接影響が及ぶ可能性もある。2016年の仲裁判断を中国が認めない状況では、海の「日常」をどう守るかが問われ続ける。
参考・出典
- Philippines denounces China's 'dangerous' and 'inhumane' actions against Filipino fishermen
- Philippines says 3 fishermen injured by Chinese coast guard's water cannons off disputed shoal
- Philippine fishing vessels damaged by Chinese coast guard in South China Sea
- PCG places 'prolonged presence' in Sabina Shoal amid Chinese sightings | Philippine News Agency
