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経済協力開発機構(OECD)と米財務省は2026年1月5日、法人税の実効税率を最低15%にそろえる国際最低課税(OECD「Pillar Two(第2の柱)」)について、米国に本社を置く多国籍企業を適用対象から外す見直しを、OECD/G20「包括的枠組み」に参加する145カ国超が受け入れたと発表した。枠組み自体は維持される一方、同じ「15%」でも対象が変わり、各国の制度設計と企業の実務に影響が広がりそうだ。
税務現場が直面する「同じ計算をしない相手」が増える
国際最低課税は、税率の低い国・地域に利益を寄せて納税負担を抑える動きを抑制する狙いがある。だが今回の合意で、競合相手が米企業の場合、相手はPillar Twoの計算・追加課税の枠外に置かれ、自社は従来どおり対応を求められる、という組み合わせが起こり得る。海外子会社を多数抱える企業ほど、連結ベースでのデータ収集や実効税率の算定を続けながら、競争環境だけが変わる局面に直面する。
日本でも制度対応は進んでいる。国際最低課税の主要ルールのうち、親会社側で不足分を上乗せするIIR(所得合算ルール)は2024年4月1日以後開始事業年度から、未課税分を各国に配分して補足するUTPR(未課税利益ルール)やQDMTT(適格国内ミニマム課税)は2026年4月1日以後開始事業年度から導入される整理が示されてきた。適用開始が近い企業にとって、相手先国の「対象外」の扱いがどこまで広がるのかは、実務の前提を揺らす論点になる。
米国は主権と税優遇を優先、制度の穴埋めは残る
米財務省は、米国企業はPillar Twoではなく「米国のグローバル最低課税」のみの対象になるとし、研究開発(R&D)減税など国内の投資促進策の価値が損なわれない点を強調した。トランプ大統領が「米企業に不利益」として反発し、就任初日の大統領令でバイデン政権下のPillar Two合意は米国に効力がないとの立場を明確にした流れを、各国が追認した形でもある。米側は、各国が自国内の課税権を守りつつ並走できる「サイド・バイ・サイド」の合意だと位置づけた。
ただ、得るものは米企業の税優遇維持と制度摩擦の緩和である一方、失うものは「本社の国を選べばPillar Twoの負担を避けられる」との見方が広がるリスクで、次の焦点は各国が追加の穴埋め措置をとるのか、Pillar Twoの運用指針がどう調整されるかだ。例えば日本企業が買収や提携で米企業と組む場合でも、グループ内で同じ尺度の税負担比較がしにくくなり、取引条件の設計に税務の説明コストが乗りやすい。
